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生活習慣が原因の肝がんが増加傾向 - 進化した最新治療と新たな課題とは

マイナビニュース / 2024年7月29日 17時22分

画像提供:マイナビニュース

7月22日から28日の肝臓週間に合わせて、アストラゼネカがメディアセミナー「肝がんの今 ~生活習慣を見直せば、肝がんは防げる!?~」を7月17日に開催した。

2020年における肝がんでの死亡者数はおよそ2万5000人で、がん部位別の死亡者数として6番目に多いがんとなっている肝がん(肝細胞がんと肝内胆管がん)。

最近の肝がんの潮流である生活習慣に紐づく肝がんの実情、今後の課題や対策について講演やパネルディスカッションが行われた。
○■非ウイルス性の肝がんの割合と人数が増加

本セミナーでは、「肝がんを知る ~患者調査結果からみる最新動向と予防・治療の現状~」と題し、国立がん研究センター中央病院肝胆膵内科長・奥坂拓志氏による講演が行われた。

「肝がんは原発性と別の臓器にできたがんが肝臓に転移して発生する転移性に大きく分けられ、原発性肝がんの中で約9割を占めるのが、本セミナーの主なテーマである肝細胞がんは原発性肝がんです。脂肪肝や肝硬変といった慢性肝疾患を持つ方に多く、これまで脂肪肝や肝硬変の多くは、肝炎ウイルスが原因でした。非常に治療が難しく、根治治療を行っても再発を繰り返す可能性が高い病気です」

多くのがんは5年経つと、部位別5年相対生存率(2009年-2011年診断例)の数値が安定していく一方、肝がんは4~5年経っても再発することも多く、「一生付き合わなければいけない病気」と言われているという。

「肝がんの5年相対生存率は35.8%で、膵臓がんは8.5%とさらに低いんですが、肝臓がんは5年目以降もまだまだ下がっていき、10年になると膵臓がんにかなり近い数字になります。ただ、最近の数字で死亡率は男性・女性ともに下がってきています。他のがんも緩やかに減少傾向にあるんですが、肝がんの下がり方は顕著です。これまで肝臓がんの原因として最も多いのがC型肝炎、次いでB型肝炎が多かったんですが、とくに最近はC型肝炎が減ってきているため、全体が引き下げられています」

また、生活習慣が原因となる非ウイルス性の肝がんの割合と人数が増えていることが、最近大きな問題になっていると紹介。アストラゼネカがこの7月に発表した「肝細胞がん患者調査レポート」のアンケート結果を示した。

「診断時期が昔の方ほどC型・B型肝炎のウイルスに罹患した方の割合が高いんですが、最近はそれが逆転し、B型・C型肝炎罹患歴のない方の割合のほうが高くなっています。C型肝炎が大きく減ってウイルス性肝炎ではない患者さんが増えているという、世界的な傾向を反映しています。抗ウイルス治療の普及など医療が発達し、ウイルスコントロールが進化してきたことで、C型だけでなく現状では横ばいのB型肝炎も今後は徐々に減ってくると予想されています」

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