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生活習慣が原因の肝がんが増加傾向 - 進化した最新治療と新たな課題とは

マイナビニュース / 2024年7月29日 17時22分

○■ALT値が 30を超えたら精密検査を

非B型・C型肝炎の代表的な背景疾患となっているというのがアルコール性の肝疾患と、非アルコール性の脂肪性肝疾患だ。

「脂肪肝の患者数は日本で3000万人、三人に一人が罹患しているとの報告もあり、健康診断を受けた人の2~3割に脂肪肝があるとも言われています。とくに肥満の方や糖尿病の方は注意が必要です。肝機能の数値が基準内でも肝炎が進行しているかもしれません。血液中のALT値の高さは肝障害を反映します。ALT値が30を超えたら、まずはかかりつけ医を受診して精密検査を受けましょう」

治療の難しい肝臓がんだが、ステージが若いうちに早期に発見できれば、その後の治療でも良い結果が期待できるという。

「肝臓がんになってしまった場合の治療方法は肝臓のはたらきと、ステージで治療方法がほぼ決まります。肝細胞がんの治療は手術による切除、ラジオ波焼灼療法やエタノール注入療法といった穿刺局所療法といった治療法しかありませんでした。しかし2010年以降は技術の進化で、分子標的治療薬や放射線治療といった治療法が可能になってきました」

分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害薬など、この10年間で肝臓がんに効く新薬が次々と日本でも薬が使えるようになり、その副作用のマネジメントも重要になってきている。

先のアンケートでは薬物治療を行った患者の6割が肝細胞がんの治療期間中、自宅などの病院外にいる際に体調の変化や症状を経験した何らかの症状を経験。薬物治療経験者にそうした症状を「治療中の症状の経験とその症状を医療従事者に伝えたか」との質問には、72%が「次の診察日を待って通院した際に伝えた」と回答したことが明らかになった。

講演後には、国立がん研究センター中央病院薬剤部の寺田公介氏も加わり、「変わってきた肝がんにどう立ち向かうか」をテーマにしたパネルディスカッションを実施。寺田氏は「短い診察の時間で日々の些細な体調までお話しするのは難しい面もあると思いますので、そういう時には薬剤師、看護師、事務の人にでもまずはお話してほしいです。とくに薬剤師は服薬指導で長く患者さんと関わることもありますので、些細なことでも気軽にお話しいただければと思います」と語っていた。

伊藤綾 いとうりょう 1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催 @tsuitachiii この著者の記事一覧はこちら
(伊藤綾)



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