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2010年に兵庫県で発見された恐竜化石は新属新種、ひとはくなどが同定

マイナビニュース / 2024年7月29日 14時56分

画像提供:マイナビニュース

兵庫県立人と自然の博物館(ひとはく)、兵庫県立大学、北海道大学(北大)の3者は7月26日、2010年9月、丹波篠山市に分布する篠山層群大山下層(白亜紀前期)から発見された「トロオドン科」の獣脚類恐竜の化石について詳細な研究を行ったところ、四肢骨の特徴が他の同科の恐竜と異なることから新属新種と判断し、「ヒプノヴェナトル・マツバラエトオオエオルム」と命名したことを共同で発表した。

同成果は、ひとはくおよび兵庫県立大の久保田克博研究員、北大 総合博物館の小林快次教授、兵庫県立人と自然の博物館の池田忠広教授らの研究チームによるもの。詳細は、英オンライン総合学術誌「Scientific Reports」に掲載された。

トロオドン科の恐竜は小型軽量な獣脚類恐竜で、ジュラ紀中期に出現し、白亜紀には北半球で分布域を広げた。現生鳥類は獣脚類恐竜の子孫とされるが、同科は鳥と近縁なグループの1つとして知られている。また、同科は小型で華奢な骨格のため、世界的にも保存状態の良い化石が少ない点も特徴だ。日本における同科の可能性がある化石としては、岐阜県高山市と兵庫県丹波市(卵殻化石)、福井県勝山市(足跡化石)などがある。

そうした中で2010年9月、兵庫県丹波篠山市西古佐にある同県立丹波並木道中央公園にて当時の管理者の依頼により、地元の地層探索グループ「篠山層群をしらべる会」が公園内の岩砕の調査を行った際、同会の松原薫氏と大江孝治氏が骨と思われる化石を含む岩塊を発見。剖出作業を経て、その化石は獣脚類の中でも鳥類に近縁な「デイノニコサウルス類」(トロオドン科とドロマエオサウルス科からなるグループ)の骨同士が関節した四肢骨として発表された。その後も2011年から2012年にかけ、二度の同公園での発掘調査が行われたが、当時は世界的にトロオドン科の骨学的な情報が限られていたことから、これ以上の研究の進展は困難な状況だったという。

そしてその後の研究から、発掘されたトロオドン科の恐竜化石は、他のあらゆるトロオドン科には見られない、以下の4つの固有の特徴を持つことが判明したとする。

前肢の指骨I-1の基部上面に1対の窪みがある
前肢の指骨III-1と固く関節するための長い上方と下方の基部リップを持つ指骨III-2がある
大腿骨の基部前面に遠位-近位方向に伸びる稜がある
広く膨らんだ遠位腹側の縁を持つ後あしの指骨III-3の歪んだ遠位顆頭

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