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パリ五輪「TVerほぼ全競技配信」はテレビのターニングポイントになるか――令和の五輪が置かれたシビアなポジションとは

マイナビニュース / 2024年7月31日 11時0分

また、タイパ重視の人も「10秒進む・戻る」「3段階の再生速度アップ」などの時間調整に加えて、ハイライトで効率よく情報を得られるTVerを選ぶだろう。

●テレビと五輪の状況は似ている
一部のライブ配信に不具合が発生したり、画質の悪さを訴える声があがったりするなどの問題点こそあるが、これらは回を追うごとに改善されていくのではないか。

TVerの配信再生数はいまだに右肩上がりで伸びているが、日ごろ放送している番組だけでなく、「4年に一度のビッグイベントで、さらにできるだけリアルタイムで見たいライブコンテンツですら、放送ではなく配信で見る」という習慣化が迫っている。「配信で五輪を見る人が一気に増える」という意味で、のちに「パリが配信で五輪を見る分岐点だった」と言われるかもしれない。

五輪のテレビ放送については、ネットの活用率が低い世帯、なかでも昭和時代から見続けてきた中高年層にとってのものになっていくのではないか。もし年齢層が下がるほど五輪の関心度が下がり、見るとしてもネット配信を選ぶ人が多数派を占めるのであれば、彼らの動向がスポンサー収入に直結する民放各局としては難しい状況になるはずだ。

ただでさえ五輪は放映権料の高騰に悩まされていた上に、今回のように時差があると視聴率も獲りづらい。それでも民放各局にとっては、五輪特番の放送や、朝から夜まで情報番組などで大々的に扱えるといったメリットもあり、NHKに頼る形になってもジャパンコンソーシアムでの放送を続けていきたいところだろう。

では、現在五輪はエンタメの中でどんなポジションのコンテンツなのか。

そのポジションは、どこかテレビの置かれたところと似ている。かつては全国民が熱狂するものだったが、徐々にその影響力が薄れ、しかし、コンテンツとしての話題性と熱狂は依然トップクラス。個人もメディアも「テレビ離れ」という言葉を使いたがるが、それでもテレビの話題はネット記事でもSNSでも、まだまだトップクラスであることは変わっていない。

五輪も以前と比べれば現在は「五輪離れ」と言われるかもしれないが、それでもトップクラスのコンテンツであることは不変。さらに、ネットの普及で「若年層の興味関心が薄れている」「アンチが否定的な声をあげやすくなった」などの逆風も同様に似ている。特に今回のパリ五輪では「“にわか”として見るくらいなら自分の“推し活”を楽しみたい」というニュアンスの声が少なくない。

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