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東奔西走キャッシュレス 第58回 「対面確認アプリ」で、対面の本人確認はどうする?どうなる?

マイナビニュース / 2024年8月1日 10時59分

ただ、暗証番号は忘れている人も多いといわれます。マイナンバーカードの4ケタ暗証番号ですら多くの人が忘れている中、4ケタ暗証番号が2つ必要な運転免許証を覚えている人がどれだけいるかは未知数。その場合、「IDリーダー」アプリでは対処できません。

マイナ保険証では照合番号Bと顔認証を組み合わせていますが、これは無人受付を実現するため。対面で目の前にいる人物から確認書類の提示を受ける本人確認の場合、顔認証は目視で行えばよく、ICチップ読み取りさえできればチェックは可能になります。

そこでデジタル庁が開発したのが、スマートフォンのカメラを使ってマイナンバーカードの照合番号Bを読み取り、それを使ってICチップにアクセスする対面確認アプリ。このアプリによってICチップ内の情報が確認できるので、あとは券面の情報と照合し、顔写真と本人を見比べれば偽造チェックをしたうえで本人確認ができるというわけです。

同じスマホ内に在留カードの確認アプリもインストールしておけば、マイナンバーカードと在留カードのICチップのチェックが可能になります。運転免許証は、前述のIDリーダーを入れればいい(在留カードも対応できます)のですが、暗証番号を忘れたと言われたら本人確認ができません。

そのため、「厳格な本人確認が必要でICチップの読み取りが必須」ということになると、運転免許証が本人確認書類として使えなくなってしまう可能性があるわけです。もちろん専用機器を導入しているキャリアや大手金融機関では運転免許証を使えますが、そうでない場合、携帯電話の契約も口座の開設もできないというのはさすがに問題がありそうです。
○バランスの取れた「厳格な本人確認」

(普通は)費用を支払って教習所に通って取得する運転免許証は、お金と時間がないと取得できません。それよりは、国民全員が無料で発行できるマイナンバーカードの方が、懐にも優しい身分証ではあります。実際、都市部の若者では運転免許証を持たずにマイナンバーカードを身分証として使う例もよく聞きますが、自動車が必須の地域では運転免許証の方が身近でしょう。

運転免許証を本人確認書類として維持するには、ICチップ読み取りの装置導入を義務化する、所持者に暗証番号を2つ覚えることを強制する、補助書類を使うなどしてICチップを使わない本人確認書類として認める、運転免許証のICチップを暗証番号なしで読み取れるようにする……のいずれかの手法が考えられます。

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