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東奔西走キャッシュレス 第58回 「対面確認アプリ」で、対面の本人確認はどうする?どうなる?

マイナビニュース / 2024年8月1日 10時59分

例えば携帯電話不正利用防止法施行規則では、本人確認の方法(対面)として、「本人確認書類の提示を受ける方法」が規定されています(第3条第1項第1号イ)。ここに「ICチップの読み取りに限る」という規定が入った場合、世論の望みどおり厳格にはなるかもしれませんが、利用できる本人確認書類が一気に減ります。

規定では、本人確認書類の提示を受けた後、その住所に宛てて書留郵便のような転送不要郵便物などを送付するという方法もあります(第3条第1項第1号ロ)。これはかなり手間とコストのかかる方法なので、上記イ方式においてICチップ読み取りだけでなく補助書類を併用する方法を認めるしかないのではないかとは思います。

7月26日には、デジタル庁が「犯罪収益移転防止法と携帯電話不正利用防止法における対面での本人確認に関しては、マイナンバーカード/運転免許証等のICチップ情報の読み取りを義務付ける」とコメント。「そのために必要なICチップ読み取りアプリ等の開発について、現在各省庁と連携し検討している」としています。

とはいえ、運転免許証向けのICチップ読み取りアプリが新たに開発されても、暗証番号が必要なものであればすでに既存のアプリがありますし、あまり意味はありません。この点をどうするのかという検討も必要でしょう。

マイナンバーカードと在留カードはICチップ読み取りをした場合にのみ単独で本人確認書類として利用可能、それ以外は補助書類が必要……という形だと、なんとかバランスが取れそうな印象です。

ちなみに補助書類は、例えばドコモだと公共料金領収書や住民票が利用できます(ドコモの場合、逆に在留カードはパスポートの併用が必要です)。金融機関だと、三井住友銀行が指定の本人確認書類以外だと2つの本人確認書類の原本を提示することを求めています。

こうした補助書類は施行規則自体には定められておらず、安全性を高める各社の工夫なので、同様に「ICチップ読み取りは単独、それ以外は補助書類必須」ということを規則に定めないようにして、運用でカバーする形になるかもしれません。

まあ、国境を越えるにはパスポート、車の運転には運転免許証という「資格証明書」として考えれば、本人確認ができる資格証明書としてマイナンバーカード(のICチップ読み取り)に限定する、という考え方もできるかもしれません。

「厳格な本人確認を求める」というのはそういうことですが、やはりそこまで求めるのは難しいと思うので、このあたりのバランスをどのようにするか、今後の議論が注目されます。

小山安博 こやまやすひろ マイナビニュースの編集者からライターに転身。無節操な興味に従ってデジカメ、ケータイ、コンピュータセキュリティなどといったジャンルをつまみ食い。最近は決済に関する取材に力を入れる。軽くて小さいものにむやみに愛情を感じるタイプ。デジカメ、PC、スマートフォン……たいてい何か新しいものを欲しがっている。 この著者の記事一覧はこちら
(小山安博)



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