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欧州の新型ロケット「アリアン6」が初打ち上げ - ふたたび繁栄を取り戻せるか?

マイナビニュース / 2024年8月3日 8時30分

画像提供:マイナビニュース

●新しそうで新しくない、少し新しいロケット - アリアン6の特徴とは?
欧州の新たな大型ロケット「アリアン6」が、2024年7月10日、南米仏領ギアナのギアナ宇宙センターから飛び立った。

アリアン6は、これまで欧州の主力ロケットだった「アリアン5」の後継機で、低軌道から深宇宙まで、さまざまな打ち上げに対応できる高い柔軟性を特徴としている。

予定していたミッションすべてをこなすことはできなかったものの、試験飛行としては成功といえる成果を残し、欧州における宇宙輸送の自立性を回復し、そして宇宙ビジネスでシェアを維持するためための、大きな一歩を踏み出した。

アリアン6とは?

アリアン6 (Ariane 6)は、欧州宇宙機関(ESA)、フランス国立宇宙研究センター(CNES)、そして民間企業のアリアングループなどが共同で開発している次世代ロケットである。

2010年代の初頭からさまざまな検討が繰り返され、2014年に開発が承認された。その後、設計をめぐって紆余曲折があったものの、2016年に開発が本格化した。

アリアン6は、これまで欧州が運用してきた大型の「アリアン5」と、中型の「ソユーズ」ロケットの後継機に位置付けられている。アリアン5では静止衛星を2機搭載して打ち上げることで、衛星1機あたりにかかる打ち上げ費用を抑える特徴をもち、欧州の自立的な宇宙輸送を担ったほか、商業打ち上げ市場でも高い存在感を発揮し、ビジネスでも大成功した。ソユーズはロシアから輸入して運用していたロケットで、主に中型衛星の打ち上げに使っていた。

しかし、アリアン5は主に価格面で国際競争力が低下し、一方ソユーズは、ロシアに依存する危険性が問題視された。後者については実際に、ロシアのウクライナ侵攻によってソユーズが使えなくなる事態が発生したことで現実化した。

こうしたことから、アリアン5の2機同時打ち上げが可能という特徴を受け継ぎつつ、コストダウンを図り、そのうえソユーズの代替機にもなるロケットして、アリアン6は設計された。

機体構成は「アリアン62」と「アリアン64」の大きく2種類が用意され、アリアン62は固体ロケット・ブースターを2基、64は4基装着する。このモジュール式の設計により、たとえば62で中型、大型の衛星を1機のみ打ち上げたり、64で衛星を2機同時に打ち上げたりと、さまざまなミッションに対応できる高い柔軟性を特徴としている。

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