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eスポーツはオリンピックになっていない

マイナビニュース / 2024年8月6日 12時31分

具体的には「リアルスポーツが存在するゲーム」であることが採用タイトルの条件になっており、多くのゲームファンがeスポーツとして認識するFPSタイトルは、表現上の問題から今後も採用される可能性は低いように見受けられます。

実際、「第1回 オリンピックeスポーツウィーク」では、Epic Games社の『Fortnite(フォートナイト)』が採⽤されたものの、「射撃競技」に使われました。それ以外の採用タイトルも、一般的なeスポーツファンからすると、納得感に欠けるラインアップ。総視聴者回数も600万回に留まり、いまひとつ盛り上がりに欠けるものでした。(比較:2021年に開催された『リーグ・オブ・レジェンド』世界大会では、最多同時視聴者数7,386万人)

今回の体制変更および「オリンピックeスポーツゲーム」という改名を経て、内容にどの程度の変更が入るのかは不明です。

開催国がサウジアラビア(※1)であることに強く言及している記事もあり、「もしかしたら、今度こそ(私たちが望んでいる)eスポーツタイトルを採用してくれるのかもしれない」という希望をほのめかしているのかもしれません。

※1:サウジアラビアは、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子兼首相が設立した非営利団体「Esports World Cup Foundation」を有しており、自国ではeスポーツ史上最大の賞金規模を誇る「Gamers8」、2024年に「eスポーツワールドカップ」を開催している。

ただ、少なくとも「サウジアラビアの国内オリンピック委員会がどのような関わり方をするのか」「採用タイトルは何なのか」が不明な現状において、無根拠に「きっと盛り上がるぞ!」という機運に誘導するのは、一定の理解はするものの、私個人としては距離を置きたいところです。
「抽象度」を逆手に取ったポジショントーク

今回、気になったのは、報道内容の「曖昧さ」と「抽象度の高さ」を逆手にとった、eスポーツ業界の一部の関係者のポジショントークが散見されたことです。

前提として、ニュースリリースを拡大解釈して報じるメディア、裏を取らない読者も問題ではありますが、その構造を逆手に取って、実態と異なるイメージを流布しかねない2次情報の数々は看過しがたいものがありました。

邪推かもしれませんが「eスポーツ」と「オリンピック」、これら2つの単語を並べさえすれば、「世間がいろいろと勘違いしてくれそう」という下心まで透けて見えます。

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