1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

eスポーツはオリンピックになっていない

マイナビニュース / 2024年8月6日 12時31分

誠実にeスポーツと向き合う者であれば、「eスポーツが五輪競技に正式に選ばれるまでがんばります」「eスポーツといっても、さまざまなゲームタイトルやコミュニティがある」「採用されないゲームタイトルがほとんどなので、五輪の採用には一喜一憂しない」といった態度表明があっても良かったように思えます。

筆者の周囲にも「eスポーツとオリンピックの話題」について、一定の距離を置いている関係者は多く、業界も一枚岩ではありません。当然のことながら、彼らはSNS上で「疑義を主張する」ことはなく、結果的に「前向きな発言」だけがSNS上には溢れています。

今回は、eスポーツ業界の一部の利害関係者の「視座の低さ」が露呈したように感じました。

加えて、筆者が問題視しているのは、世間のリアクションが、“肯定派”(主な主張は「eスポーツの価値が認められた」)と“否定派”(主な主張は「ゲームのオリンピック化は認めない」)の2陣営になっていることです。

これらの主張はどちらも的を射ておらず、穿った見方をすると、各陣営ともに「日ごろから言いたかったこと」を(今回のニュースを引き金にして)発信しているだけであり、ニュースの内容そのものと向き合っていないように思えました。
「eスポーツ好き」という存在しないペルソナ

最後に、そもそも「eスポーツ」という言葉は、言わば「飲み物」というジャンル表現に過ぎません。

「飲み物」には、水、炭酸飲料、コーヒー、ビール、ワイン、日本酒、などさまざまな小分類があります。「eスポーツ」という分類にも、『League of Legends(リーグ・オブ・レジェンド)』『VALORANT』『Fortnite(フォートナイト)』『ストリートファイター6』などのさまざまなゲームタイトルがあります。

そして、ゲームタイトルごとに独立したコミュニティが醸成されており、その中には人生を懸けてきたゲームファンたちがいます。

「eスポーツ」という言葉を使えば使うほど、それぞれのゲームコミュニティにいる「名もなきファンたち」の存在を不透明にしている気がしてなりません。

筆者の周囲にも、意図的に「eスポーツ」という言葉の使用を避ける関係者もいます。正直のところ、eスポーツがオリンピックになったところで、「彼ら」にどれだけの恩恵があるのか、いまいちピンとこないのです。

むしろ「eスポーツ」、いやゲームが市民権を得て、社会化する話題が上がれば上がるほど「本当にゲームと歩んでいる人たち」の声がさらに奥底に沈んでしまう感覚すらあるのです。

最後に私も「言いたいこと」を書いてしまった気がします。失敬。
(小川翔太)



この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください