ネットワークの超基本! エンジニア1年目の教科書 第16回 通信が行われる仕組み
マイナビニュース / 2024年8月7日 7時0分
送信元となるHTTPクライアントでは、このように上位層から下位層へ向けて順番に処理が進む中、「カプセル化」という動作で上位のレイヤから受け取ったデータに自分のレイヤで必要となる制御情報を「ヘッダー」として付加しています。
HTTPサーバ側の動作の流れ
続いて、宛先となるHTTPサーバ側の動作の流れを見ていきましょう(図9)。
○物理層の処理
HTTPサーバは電気信号を受け取り、それらを"0"と"1"の羅列に変換します。全ての信号の変換が終わることでデータが受信されたことを認識し、その内容をデータリンク層へ渡します。
○データリンク層の処理
HTTPサーバのデータリンク層は、フレームのヘッダーで示される宛先MACアドレスを根拠にして、自分宛のフレームであることを認識します。また、E-typeの値「0800」を根拠にして、中身のパケットをネットワーク層のIPへ渡します。
○ネットワーク層の処理
パケット(IP)ヘッダー内に示される宛先IPアドレスを根拠にして、自分宛のパケットであることを認識します。中身のセグメントはトランスポート層プロトコルTCPへ渡されます。IPパケットヘッダーには、運搬している中身を「プロトコル番号」という場所で示すことができます。
○トランスポート層の処理
トランスポート層のTCPは、宛先ポートとして示される番号「80」を根拠にして、HTTPの処理を受け付けているアプリケーションに中身であるHTTPリクエストメッセージを渡します。
○アプリケーション層の処理
TCPから正しく受け取ることができたHTTPリクエストを処理します。
このように宛先側の機器は、下位層から上位層へ向かって処理を進める中、それぞれのレイヤの処理で根拠に使ったヘッダーを取り除いて中身を次のレイヤへ引き渡す「非カプセル化」動作を行っています。
最後に、HTTPクライアントへ返信が届く際の流れを見ていきましょう(図10)。
HTTPサーバ上のアプリケーションは、HTTPリクエストの応答としてブラウザ画面に表示させるために必要なデータを送信します。これをHTTPレスポンスと呼びます。生成されたHTTPレスポンスのメッセージは、下位のレイヤに処理が引き継がれます。
トランスポート層では必要に応じたデータの分割処理(セグメント化)とポート番号の指定、続くネットワーク層では送信元と宛先を示すパケットの生成といった処理が進みます。
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