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腸の不調を放置していると産まれてくる子どもの学習能力にも影響? 「腸活」最新研究でわかった母体と胎児の腸内微生物叢 の相関性

マイナビニュース / 2024年8月9日 10時30分

ゆえに「帝王切開」では母親の腸内微生物叢を赤ちゃんはあまり受け取れない。腸内微生物叢は、多様であればあるほど健康につながり、帝王切開では赤ちゃんの腸内微生物叢の情報の多様性が限られてしまう。ゆえにアメリカなどでは、帝王切開で産まれた赤子には新生児用のプロバイオティクス(善玉菌)をすぐに投与する医療機関もある。

伊藤先生曰く「私のクリニックでは行っていますが日本では乳児期早期のプロバイオティクスの案内はまだ少数派。だが取り返しがつかないというわけではなく、「帝王切開」は便宜産科の先生たちの判断で適切に行われている。

さて、アレルギー関連の学会では、「アレルギーはお腹から治しましょう」と研究に基づいて推奨されることもある。善玉菌=プロバイオティクスをしっかり摂り入れ、さらにはその餌となるプレバイオティクス…特に水溶性の食物繊維をしっかり摂ることでアレルギーが改善するという研究が複数ある。

免疫細胞である白血球、そのうちのリンパ球の一種であるT細胞がアレルギーの発症に関与しており、全身の免疫細胞の約7割が腸管に存在するため、腸内環境がアレルギーに関わっている。

「次に脳機能ですが、例えば記憶力や判断力、学習能力、マルチタスキングや集中力など知的活動にも短鎖脂肪酸が関与しています。情緒にも短鎖脂肪酸は影響します。つまり腸内の微生物叢が整うことと精神面を含む脳機能の向上が期待できます。腸と脳の双方向のつながりがあり、それを“腸脳相関”と呼びます」

そして産後の栄養によって、赤ちゃんの腸内微生物叢が影響を受けて変化し、それに伴なって赤ちゃんの免疫や脳機能も影響を受ける。母乳には赤ちゃんの免疫のために必要な免疫グロブリンなどの重要な成分が豊富である。母乳栄養は赤ちゃんの腸内環境バランスを整えるためにも重要である。ただ、母乳に不足している栄養素にビタミンDと鉄があり、特にビタミンDと腸内環境は関与している。

伊藤先生は「ビタミンD不足により、骨が歪む病気になる日本の子どもが5年間で4倍増加した」ことを示す論文を書いている。

「ビタミンDは日光浴で摂れますが、紫外線にあたることは皮膚の老化や皮膚がんの原因にもなってしまうことには注意が必要です。食べ物では卵の黄身、サーモン、イワシなど。サプリでも摂れます。また日本は貧血大国ともいわれ、ほとんどのお母さんたちが鉄不足で貧血状態。粉ミルクにはビタミンDも鉄分も入っていますが、それでも赤ちゃんには足りないこともあります。

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