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筑波大など、一時的なストレス時に身体が感じる退屈を数値化する手法を開発

マイナビニュース / 2024年8月15日 7時38分

その結果、中難易度課題では最も低い統合度、高難易度課題ではそれよりも高い統合度が得られたとした。このことは、被験者が中難易度課題に対して能動的に振る舞うことができる(好きなペースで課題に取り組める)一方、高難易度課題に対しては、受動的に振る舞わざるを得ない(解けない課題をやり続ける)ためと考えられるという。また低難易度課題に関しては、高難易度課題以上の統合度を示すことが発見された。つまり、課題が簡単すぎる場合、多くの時間を「何もしないことを強いられている」状態になっていることを意味するとした。

さらに、課題に対する緊張感、努力、集中、疲労感、いらだち、退屈さ、うんざり感といった被験者の主観的な感情の程度が、アンケートを用いて調べられた。生理データから得られた指標と、この心理的な指標が比較されたところ、今回の研究が提案する新指標は「退屈」の項目と強い相関を示すことが明らかにされた。

同時に、このような退屈との相関関係は、生理データ単体(心拍・皮膚温度・皮膚電気抵抗)では得られないこともわかったとする。この結果は、この新指標が、ストレスにおける退屈の感情を数値化できるだけでなく、「退屈」という感情が主観的なストレスの基盤となっている可能性を示唆しているとした。

退屈しやすい傾向にある人は、害を及ぼすような刺激をあえて選択することもあるという。このことは、退屈によるストレスをうまく処理する必要性があることを意味しているとした。

今回の研究成果は、従来のストレス評価方法の限界を克服する新しいアプローチを提案するだけでなく、ストレス下における退屈状態の重要性が示されているとする。今後は、さらに多くの被験者を対象に、よりさまざまなストレス状況での評価や、個人間のストレス反応の違いを明らかにする必要があるという。また、この方法を応用することで、労働環境や教育現場などでのストレス管理にも役立つことが期待されるとしている。
(波留久泉)



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