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中小でもできる!ITブランディング 第28回 「商品名こそブランド」名付けに工夫あり~三庄インダストリー 山本社長

マイナビニュース / 2024年8月15日 7時0分

成形する粉をピストン式の振動装置で最適なタイミングで叩いて揺らすのも特徴です。振動により粉の間に含まれる空気を抜くことで隙間が減り、均質な密度の成形品を作れます。取引先からは高い品質が評価され、半導体製造装置、有機ELの素材成形などに活用されています。

本村:成形品の均質な密度など、高い品質が強みということですね。最近は、企業が「自社の強みや特徴を知ってもらおう」とブランド作りをする動きが強まっています。

山本:私たちのような中小企業がブランディングをする最大の意義は、顧客や潜在顧客からの自社への「信頼」を獲得できることです。企業ブランドは潜在顧客からの知名度や安心感につながります。リピーターが増え、価格競争にも陥りづらくなります。名前を聞いたことのないような企業は残念ながら信頼されづらく、取引も増えません。

当社も創業当初からホームページを自前でつくって商品を掲載し、ブランディングやマーケティングを始めました。関連製品が集まる展示会にも毎年出展し、業界内で認知度を高めるよう努めてきました。現在では「粉末成形を考えているなら三庄インダストリーに相談した方が良い」と言ってもらえるようになり、潜在顧客からの問い合わせも増えました。インターネットでも好意的な口コミが多くなりました。

本村:潜在顧客からの信頼を獲得する具体的な方法を教えて下さい。

山本:重要なのは継続だと思います。例えば、10年以上継続的に展示会に出店することで、安定感があり、安心できる会社だと認識してもらえます。展示会では、一見して当社だと分かるように青、黄、赤をベースとしたカラーのブースにしてブランディングにつなげています。

こうした努力を通じて、大学や産業技術総合研究所の先生たちに当社の名前や事業内容を知ってもらうことができ、その結果として顧客を紹介してもらうこともあります。継続的なブランディングが奏功し、現在では粉体技術の業界雑誌の巻頭言に寄稿させていただけるまでになりました。

本村:ブランディングを通じて、知名度だけでなく貴社の業界内の地位も向上しているのだと思います。ただ、多くの経営者からは「中小企業がブランディングするのは難しい」との声が聞かれます。

山本:当社も従業員15人程度の中小企業ですから、その悩みはよくわかります。中小企業は知名度がなく、資金や人材が不足しています。知名度を上げるために広告宣伝をしようにも、豊富な資金がなく実現は困難です。このため、多くの企業はまずは売上を増やしたり、利益率を引き上げたりすることが優先課題となってしまうことが多いのだと思います。

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