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パリ五輪、テレビ中継にぶつけられた“出演者と競技の選択”の不満――視聴者は何を問題視したのか

マイナビニュース / 2024年8月14日 11時0分

いずれにしても視聴者が「競技や選手の姿だけを見られればいい」「ルールや見どころの説明ならともかく、応援や祝福・落胆などのシーンは最小限でいい」という本質的なスタンスになった感がうかがえる。その証拠に今回から「ほぼ全競技無料配信」になったTVerの一部競技で「実況がなかったから見やすかった」というユーザーも少なくなかった。

だからこそ、今後のテレビ放送は配信にはない付加価値をどのように提供していくのか。その点でキャスターやゲストの人選が大きいのは間違いない。

●放送でもTVerへの誘導をすべき
次に放送競技の選択は、パリ五輪のテレビ放送における最大のトピックスだろう。金20、銀12、銅13ものメダルを獲得したが、「メダルマッチが放送されない」というケースが相次ぎ、批判の声が飛び交う事態となってしまった。

なかでも金メダルを獲得した競技の放送に対する風当たりは強烈そのもの。例えば、ぶっちぎりの金メダル候補だったレスリング女子53キロ級・藤波朱理選手の決勝が地上波で放送されないなど、選手・視聴者ともに不満が残る事態を招いた。

ただ、あらかじめ放送スケジュールを発表し、各方面と連絡を取りながら準備をしているだけに、NHKも民放各局も急に対応を変えるのは難しい。「本当にそっちのほうが視聴率を獲れるのか」という問題に加えて、「実況や解説がない国際映像を放送すべきではない」というハードルなどもあり、BSやサブチャンネルのフル活用も現実的ではないだろう。

しかし、TVerでは配信されているのだから「ほぼ全競技無料配信」であることをしっかり伝え、きっちり誘導していれば、これほどの不満はあがらなかったのではないか。不満の声をあげているのは「ネット環境がない」という人だけではなく、「地上波でやると思っていたから見逃してしまった」という声も散見されただけに、配信のPR不足は問題の一つだった。「地上波を見てもらって視聴率を上げたい」という気持ちは分かるが、もはやそれでごまかし切れる時代ではなく、意識の変化が求められている。

民放ならスポンサーの理解がついて回るが、例えば「放送も配信も同時に見てもらう」という前提での営業などでクリアできないものか。その日の放送を担う局だけでなく全局が視聴者ファーストのフェアなスタンスを共有し、見逃さないように誘導できれば、テレビ業界の株は上がるだろう。

もともと各競技の人気や有力選手の人数だけではなく、テレビ局による放送競技の選択によって「メダル至上主義の流れ」や「競技間でのメダルの格差」を作っている感は否めない。だからこそせめてメダル獲得のシーンは放送にしろ配信にしろ、ライブで見てもらうための配慮があってしかるべきだろう。

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