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佐野正弘のケータイ業界情報局 第133回 Google「Pixel 9」シリーズ、ラインナップを4機種に増やした背景

マイナビニュース / 2024年8月14日 6時0分

上位モデルに位置付けられるPixel 9 ProとPixel 9 Pro XLは、背面がマットな加工でカラーも比較的落ち着いたものとなっていますが、RAMは16GBでカメラは広角・超広角・望遠の3眼構成。動画ブーストやビデオ夜景モードにも対応するほか、フロントカメラの画素数も4200万画素と、Pixel 9が1050万画素であるのと比べると強化がなされていることが分かります。Pixel 9 ProとPixel 9 Pro XLの違いは画面サイズで、Pixel 9 ProはPixel 9と同じ6.3インチ、Pixel 9 Pro XLは6.8インチとなります。

もう1つのPixel 9 Pro Foldは、名前の通り「Pixel Fold」の後継というべき横折りタイプの折りたたみスマートフォン。Pixel 9 Proシリーズの機能・性能をベースにしながらも、閉じた状態で6.3インチ、開いた状態で8インチの大画面で利用することが可能です。

RAMが必要な生成AIの利用を広げたいグーグル

これら4機種を以前の機種に当てはめると、先にも触れた通りPixel 9 Pro FoldはPixel Foldの後継となりますが、Pixel 9はスタンダードモデルという位置付けの「Pixel 8」の後継、そしてPixel 9 Pro XLは大画面かつ高い性能を誇る「Pixel 8 Pro」の後継ということになるでしょう。

一方で従来のラインナップになかったのが、「Pro」の性能を持ちながらスタンダードモデルと同じサイズのPixel 9 Proとなります。それゆえPixel 9シリーズは、Pixel 9 Proの存在がグーグルの戦略上非常に大きな鍵を握るといえそうです。

筆者が考えるに、その狙いは「生成AI」と「日本市場」にあると考えられます。グーグルは、生成AI技術の開発とその活用に力を入れており、Pixelシリーズに関していえば生成AIの技術を、クラウドを使わずデバイスで動作させられるグーグルの大規模言語モデル(LLM)「Gemini Nano」を動作させることで、機能の強化を図ろうとしています。

ですが、高いコンピューティングパワーが求められる生成AIを高速に動作させるには、チップセットに加えRAMの容量も必要とされています。実際、グーグルはPixel 8シリーズに関して、当初Gemini NanoをRAMが16GBのPixel 8 Proにのみ提供し、RAMが8GBのPixel 8には提供しない予定でした(のちに撤回して両機種に提供)。

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