1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

佐野正弘のケータイ業界情報局 第133回 Google「Pixel 9」シリーズ、ラインナップを4機種に増やした背景

マイナビニュース / 2024年8月14日 6時0分

ただ、Pixel 8シリーズのようなラインナップを継続した場合、今後RAMを重視してLLMの強化を図るとなると、性能の高い大画面モデルだけアップデートを優先せざるを得なくなってしまいます。一方で、必ずしも多くの人が大画面モデルを欲しているわけではなく、スタンダードなサイズ感のモデルで最新のAI技術を活用したいと思っている人も少なくないでしょう。

とりわけ日本では、徐々に大画面のニーズが高まりつつあるとはいえ、現在も画面サイズはあまり大きくないが片手で持ちやすい、比較的コンパクトなモデルが好まれる傾向にあります。そして、Pixelシリーズは日本市場で急速にシェアを高めていることから、グーグルにとってその重要性が高まっていることは間違いありません。

それだけに、高度な生成AIを活用したサービスの利用を、日本をはじめ多くの国で広げるには、Proシリーズのラインナップを広げる必要があると判断。その結果として、Pixel 9 Proが開発されるに至ったのではないか、と考えられるわけです。

そうした戦略自体は、とりわけ日本市場では歓迎されるものではありますが、消費者がそれを理解して具体的な購入につながるかは未知数な部分もあります。それは価格です。Pixel 9シリーズも、昨今の円安の影響などから値上がり傾向にあり、Googleストアでの販売価格は最も安いPixel 9で128,900円と、Pixel 8の発売当初の価格である112,900円と比べると16,000円も値上がりしてしまっています。

Pixel 9 Proの価格は159,900円と、Pixel 9よりおよそ3万円高く設定されているうえ、Pixel 9やPixel 9 Pro XLより発売が遅れるとされています。日本では円安による値上げラッシュが家計を苦しめているだけに、生成AIの進化のためとはいえ発売が遅れるモデルに3万円をプラスしてPixel 9 Proを購入する人がどれだけいるのか?という点が非常に気になるところ。そのためにも、グーグルには今後、生成AIを活用した機能の魅力を高めるサービス開発とそのアピールが求められることになりそうです。

佐野正弘 福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。 この著者の記事一覧はこちら
(佐野正弘)



この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください