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2体のしめじが近づく様子にヒトは感情を強く読み込む、東大が確認

マイナビニュース / 2024年8月16日 14時23分

画像提供:マイナビニュース

東京大学(東大)は8月13日、ヒトでない対象が感情を持っているように感じる「感情の読み込み」現象について、(1)形状のヒトらしさが中程度である対象(例:きのこの一種である“しめじ”)に社会的な動きが加わると、強い感情の読み込みが観測されること、(2)形状的にヒトらしい対象に社会的な動きが加わっても、感情の読み込みの度合いは、動きがない場合と比較して大きくは変わらないこと、という2点を明らかにしたことを発表した。

同成果は、東大大学院 総合文化研究科の植田一博教授、同・大学大学院 学際情報学府の今泉拓大学院生、立命館大学 総合心理学部の高橋康介教授らの共同研究チームによるもの。詳細は、心理学の観点からコンピュータの使用を調査することに特化した学術誌「Computers in Human Behavior」に掲載された。

個人差はあるものの、ヒトは生物でない対象に生物らしさを感じる「アニマシー知覚」と呼ばれる感覚を持っている。その一種として、ヒトでない対象に対し、それが感情を持っているかのように感じてしまう現象を多くの人が経験するが、その現象は感情の読み込みと呼ばれている。

アニマシー知覚分野の研究では、感情の読み込みを引き起こす要因として、対象の動きが検討されてきたという。一方、ヒトとロボットやコンピュータ、バーチャルキャラクターなどの「エージェント」のインタラクション(相互作用)に関する研究領域である「ヒューマン・エージェント・インタラクション」分野においては、ヒトらしい形状をエージェントに実装することで感情の読み込みを生み出す研究が進められてきており、感情の読み込みに影響する要因としての形状と動きは異なる領域として扱われてきたという。

中には形状のヒトらしさと動きが組み合わさることで、生じる感情の読み込みが変化する可能性を主張する研究も存在していたが、実験的な検討まではなされていなかったという。そこで研究チームは今回、その可能性を実験的に検討することを目的に、形状のヒトらしさが異なる3つの対象について、動きがある場合とない場合を実験刺激として用意することにしたという。

具体的には、静止画と動画について、「形状的にヒトらしいか」と「感情を持っているか」について質問紙で調査が行われた。形状的にヒトらしいかについては、「人型のイラスト」(人型)、少しヒトっぽいシルエットを持った「しめじ」(X:旧Twitterで話題になった「添い寝しめじ」を参考にして作成)、「マッチ棒」の3種類で比較。動画については感情を持っているかとして、2体の対象を直線的に近づけることで抱きしめることを意図した内容のものと、そのフレームの順番を逆にして、2体の対象を直線的に遠ざけることで離れることや別れることを意図した内容のもので比較が行われた。

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