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日本で普通に乗っても便利? トヨタ「ランクル70」に試乗!

マイナビニュース / 2024年8月29日 11時30分

エンジンを始動すると、ディーゼル特有の振動と回転音が小気味よく全身に伝わってくる。アクセルを踏み込むと野太いエンジン音がうなりをあげるが、決して不快ではない。

特に驚いたのが、高速道路での合流時だ。2トンを超える車重でも軽々と加速できた。もちろん街中でも、アクセルをほんの少しだけ踏めば、もたつきなくスムーズに発進できる。このあたり、大柄なSUVにしては想像以上に軽快な動きだった。

乗り心地も悪くない。縁石に乗り上げても、高速道路での路面のつなぎ目を乗り越えても、突き上げ感はほとんどない。セダンのような乗り心地とまでは言えないが、クッション性がよく、段差をふわりと乗り超えていくような印象だ。

ハンドリングはSUVらしさがある。つまりキレ角があまく、かなり遊びがあるのだ。悪路走行時にハンドルをとられないようにするため、こうした味付けのハンドリングになっているわけだが、オンロードでの直進安定性にはやや欠ける。まっすぐ走り続けるには絶えずハンドルの微調整が必要だし、カーブや交差点では、思った以上にハンドルを切らないと曲がり切ってくれない。セダンやクーペなどとはまた違った操作感だが、そこが本格SUVの醍醐味でもある。

車体が大きく視界もいいので、長距離ドライブでも疲れにくく、運転そのものを楽しむことができた。

とはいっても、車体の大きさがデメリットになることもある。例えば都市部の路地などでは走りにくいし、車幅の狭い車庫には停めにくい。立体駐車場には入れないことすらあるだろう。
ツール感にワクワク!

内装は全体的に、プラスチックを多用したかなり素っ気ないものになっている。だが、そこも従来のナナマルのイメージを受け継いでいるポイントだ。クルマを道具として捉えるのであれば、無駄な装飾は必要ない。ツール感満載の車内に、最近ではあまりなかったワクワク感を覚えた。

基本的に、日本に住んでいる人であれば(特に都市部であれば)、本格的なSUVが「必要」になる機会はめったにないはず。クルマを走らせるうえで過酷な路面環境、例えば砂漠や山岳地帯を突っ切るような道路がほとんどないからだ。

ナナマルも日本で乗るにはオーバースペックな代物と言えるが、これを普段使いするのも決して悪くないと思う。車体の大きさを除けば、乗り心地にしても、車内の快適性にしても、アクセルを踏んだときのレスポンスにしても、ほとんどストレスがなかったからだ。試乗する前は、河川や山岳地帯などで割り切って乗るクルマであり、乗り心地も悪くて加速力も弱く、普段使いには向かないだろうと思っていた。しかしナナマルは、かなり快適に乗りこなすことができた。都市部を中心とした街乗りに使っても十分に満足できるだろう。

剛性や強度を確保するため、ナナマルは耐久性に優れたラダーフレームを採用している。内外装は無駄な装飾がなくシンプル。それでいて、燃費を改善したり、ATを採用したりするなど、使い勝手は向上させている。つまり、変える部分は積極的に変えつつ、守る部分は守って伝統をうまく継承している。熱狂的なナナマルファンだけでなく、SUVの購入を検討しているユーザーにとっても新型ナナマルは最良の選択肢となるに違いない。

室井大和 むろいやまと 1982年栃木県生まれ。陸上自衛隊退官後に出版社の記者、編集者を務める。クルマ好きが高じて指定自動車教習所指導員として約10年間、クルマとバイクの実技指導を経験。その後、ライターとして独立。自動車メーカーのテキスト監修、バイクメーカーのSNS運用などを手掛ける。 この著者の記事一覧はこちら
(室井大和)



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