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NISTが初公開した耐量子計算機暗号標準にIBM開発のアルゴリズム

マイナビニュース / 2024年8月16日 17時39分

画像提供:マイナビニュース

米IBMは8月13日(現地時間)、米国商務省の国立標準技術研究所(NIST)が発表した最初の3つの耐量子計算機暗号標準(Post-Quantum Cryptography Standards)において、同社が開発した2つのアルゴリズムが正式に公開されたと明らかにした。
○サイバー攻撃から世界中の暗号化データを保護することを前進させる

公開された耐量子計算機暗号標準には、3つの耐量子計算機暗号アルゴリズムが含まれており、ML-KEM(当初の呼称はCRYSTALS-Kyber)とML-DSA(当初の呼称はCRYSTALS-Dilithium)の2つは、IBMの研究者が業界・学術界のパートナーと協力して開発。

公開された3つ目のアルゴリズムSLH-DSA(当初はSPHINCS+として提出)は、その後IBMに入社した研究者によって共同開発されたものとなるほか、同社が開発した4つ目のアルゴリズムFN-DSA(当初の呼称はFALCON)が、将来の標準化に向けて選出されている。

これらのアルゴリズムが公式に公開されたことは、量子コンピュータが将来的に有する計算機能力によって試みられる可能性のあるサイバー攻撃から世界中の暗号化データを保護することを前進させるマイルストーンだという。

米IBMフェロー 兼 IBM Quantum バイス・プレジデント ジェイ・ガンベッタ(Jay Gambetta)氏は次のように述べている。

「量子コンピューティングにおけるIBMのミッションは、有用な量子コンピューティングを世界にもたらすことと、世界を耐量子計算機暗号によるセキュリティが確保された状態にすることです。量子コンピュータは完全にエラー訂正されたシステムに向けて前進しており、現在の量子コンピュータの技術開発も驚くべき進歩を遂げるとともに、問題を探索するための活用が世界中の産業で進んでいます。しかし、こうした業界としての技術の進歩は、機密性の高いデータやシステムのセキュリティに激変をもたらす可能性があることを私たちは理解しています。NISTが最初の耐量子計算機暗号標準を発表したことは、量子コンピューティングの進歩と並び、安全な未来を構築するための取り組みの重要な一歩となります」(ガンベッタ氏)
○耐量子計算機暗号を自社製品に組み込むIBM

IBMの量子開発ロードマップでは、エラー訂正された最初の量子システムを2029年までに提供を予定し、数億回の量子演算を実行して現在の古典コンピューターでは到達できない複雑で価値のある問題に対して正確な結果を返すことが期待されている。

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