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NISTが初公開した耐量子計算機暗号標準にIBM開発のアルゴリズム

マイナビニュース / 2024年8月16日 17時39分

さらに、2033年までに10億回以上の量子演算を実行できるように量子システムを拡張する計画が含まれており、これらの目標に向けてヘルスケアやライフサイエンス、金融、材料開発、物流などの分野で専門家を配置し、実用規模のシステムを用いて、最も差し迫った課題を量子コンピューターに適用することを開始しているという。

しかし、強力な量子コンピュータの出現は、サイバーセキュリティプロトコルにリスクをもたらす可能性がある。速度とエラー訂正能力のレベルが向上するにつれてRSAなど、最も使用されている暗号化スキームを破る能力も含まれている可能性があると指摘。

NISTが新たに公開した標準は、パブリックネットワーク上で交換されるデータの保護、および認証のためのデジタル署名を目的に設計されている。2016年にNISTは世界中の暗号研究者に対して、将来の標準化を検討するために、耐量子暗号スキームを開発・提出するよう求め、2022年には評価用に提出された69件の提案の中から、CRYSTALS-Kyber、CRYSTALS-Dilithium、Falcon、SPHINCS+の4つの暗号アルゴリズムが選出された。

NISTは、Falconを4番目の公式標準として公開するために評価を継続する一方、耐量子暗号アルゴリズムのツールキットを多様化するための追加アルゴリズムの特定と評価を続けている。

追加アルゴリズムの中には、IBMの研究者により開発されたいくつかのアルゴリズムが含まれている、同社の暗号研究者はこれらのツールの拡張を行っており、新たに提出された3つのデジタル署名スキームが含まれ、スキームはすでにNISTの検討対象として受諾され、初期評価中となっている。

一方、IBMでは耐量子計算機暗号をメインフレーム「IBM z16」や「IBM Cloud」などの自社製品に統合する取り組みを進めており、昨年にはIBM Quantum Safeロードマップを発表。

同ロードマップは、進化する耐量子技術に向けたマイルストーンを示す、発見、観測、変革の3段階のフェーズで定義。ロードマップに加え、顧客が耐量子を実現できるように支援するため、IBM Quantum Safeテクノロジーと耐量子の実現に向けた計画策定から移行を含めた「IBM Quantum Safe Transformation Services」を発表している。

これらは、ソフトウェアやシステム内の暗号資産に関する情報を特定・交換するための新しい標準である暗号部品表(CBOM)の導入を含めた「クリプト・インベントリー」や「クリプト・アジリティー」への対応が含まれている。
(岩井 健太)



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