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第47回ディスプレイ産業フォーラム 第3回 FPD部材市場 - ガラス基板以外は供給過剰でメーカー間の競争が激化

マイナビニュース / 2024年8月21日 7時15分

画像提供:マイナビニュース

第47回ディスプレイ産業フォーラムにおいて、ディスプレイ部材およびコスト調査担当マネージャーの宇野匡氏はFPD部材市場の概況として、ガラス基板のみがひっ迫した状態で、大手メーカーによる積極的な値上げ交渉が継続しているが、ほかの部材はDDIC(ディスプレイドライバIC)を含めて供給過剰となっており、メーカー間での競合が激しく価格の下落が続いているとの見通しを示した。
ガラス基板

中BOEはG8.6(第8.6世代)OLEDラインとしてB16ラインの投資を計画している。従来は一部分のみのLTPOプロセスでの設計であったが、数か月前から全面LTPOプロセスへの変更がガラスメーカーへ打診されたという。LTPS/LTPOガラス基板およびキャリヤーガラスはこれまで第6世代までのサイズに限定されてきたため、第8.6世代でのLTPS/LTPOガラス基板の供給は初めてとなる。ガラスメーカーは今後対応を迫られることとなる。

米CorningはOxideガラスとして、Astraガラスを量産しているほか、LTPD/LTPOガラスとしてLotusガラスを量産している。情報によるとAstraガラスをベースとして第8.6世代LTPOガラス基板およびキャリヤーガラスの開発を進めているという。

日本電気硝子(NEG)はOxideガラスとしてOA20を量産しているほか、LTPSガラスとしてはOA31を量産している。新規ガラスを開発するかどうかはまだ不明である。

AGC(旧旭硝子)はLTPSガラスとしてANWizusを量産しているほか、OxideガラスとしてANRezostaを開発しているが、現状の供給ラインの状況から実質量産はまだ開始されていない。AGCからパネルメーカーに対しては、ANWizusから、ANRezostaへの移行が打診されている模様である。ANRezostaはOxideとLTPS/LTPOプロセス両方を十分に対応できる性能があり、今後はANRezostaへ製品を一本化する予定である。

中国ガラスメーカーは積極的な投資を継続しているが、4社合計で6.3%のシェアにとどまっている。

2022年第4四半期には、需要の大幅な減退と価格下落により、ガラスメーカーの収益も大幅に悪化した。NEGは2023年に韓国工場を閉鎖し、AGCは高砂工場でのディスプレイガラスの生産を終了した。ガラス事業の収益性向上が現状では最大の目標となっており、出荷面積と生産能力のギャップをいかに埋めるかが戦略となっている。Corningは2023年から積極的な値上げを継続している。大手ガラスメーカーは2024年後半も値上げ交渉を積極的に展開している。中国ガラスメーカーの生産能力はすでにかなり大きいが、品質がほかの海外の大手メーカーと比べると低く、大手ガラスメーカーの値上げを受注に転換できていない。
偏光板

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