Windows Terminal ベスト設定 第16回「フォント指定」
マイナビニュース / 2024年8月19日 17時9分
OpenTypeの機能の多くは、紙の印刷物を作成するときのルールであるレイアウト(組版)の規則を実現するためのものだ。こうした機能には、「合字」、「特性」などがある。
合字とは、特定の文字の組合せを別の字形として表示する機能である。たとえば、欧文では、美的な観点から小文字のfとiの間隔を詰めるといった配置が行われてきた。欧文では活字の時代には、fとiをつなげた1つの活字が作られた。合字機能を使うことで、複数の文字をつなげた1つのグリフを得ることができる。
同じように特定の複数文字の組合せで、間隔を調整してバランス良く見せる方法としてカーニングがある。フォントによっては、合字を持たず、カーニングの情報を入れ、カーニングでバランスを調整することを想定しているフォントもある。
OpenType feature(特性)は、グリフに対して、合字や文字変化(単語内の位置でグリフが変わるアラビア文字などで使う)、上付き、下付きなどを指定する場合に使う。このfeatureも、実装は、フォント開発者に委ねられており、どんな特性があるのかはフォントファイルごとに違う。OpenTypeには、[予め定義された特徴(Registered features 英語)がある。合字の制御などは、これらを使って行う。
2016年に制定されたOpenType Ver.1.8では、可変フォントと呼ばれる機能が入った。これは、OpenType font variation機能を使い、グリフを連続的に変化させる方法を提供するものだ。フォントは見た目が統一され、美しく見えるようにデザインされているため、機械的に変形させてしまうと、デザインが崩れてしまう。文字を見たとき、人間は、大きなサイズであれば、文字を構成している線を太く表示しないと、不安定な印象を受ける。あるいは、太字のグリフを表示して他の部分と区別させたいことがある。
OpenType Ver.1.7までは、こうした線の太さは、個別のフォントとして作成するしか方法がなかった。このため、Windowsの多くのフォントはレギュラー表示、ボールド表示、イタリック表示、ボールド-イタリック表示用のフォントファイルを1つのフォントファミリとして提供していた。Windowsで一般にフォントと呼ばれているものはフォントファミリで、複数のフォントファイルから構成されていた。個別のフォントとして作成しなければならないため、線の太さの種類を増やすことが困難だった。
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