『音が出たら負け』はなぜ3年半ぶりに復活したのか――『逃走中』『学校かくれんぼ』に見るゲームバラエティの可能性
マイナビニュース / 2024年8月21日 11時0分
また、80年代から90年代にかけて『痛快なりゆき番組 風雲!たけし城』(TBS)、『関口宏の東京フレンドパーク』(TBS)、『ウッチャンナンチャンの炎のチャレンジャー』(テレビ朝日)など、ゲームバラエティが絶大な人気を得たときもあった。「当時のように再び家族そろってテレビを見てもらうためにゲームバラエティで勝負したい」という狙いは理解できる。
ただ、「本当に成功したゲームバラエティはどれくらいあるのか」と言えばかなりあやしい。主なものだけを挙げていくと、フジはドッジボールがベースの『戦闘中』、しっぽ取りゲームの『モノノケハント』、水上アスレチックの『水上サバイバル オチルナ』、TBSはレギュラー放送もした音楽ゲームの『オトラクション』、シューティングゲームの『THE鬼タイジ』など、いずれも成功したとは言いづらいところがある。
その意味で『音を出したら負け』の復活は、「テレビマンのゲームバラエティに対する過大評価」という感が否めない。「ゲームバラエティでなければ若年層やファミリー層を引きつけられないのか」と言えば決してそんなことはないだろう。
もともと平成時代からゲームバラエティにはアンチも多く、「くだらない」「絶対に見ない」とまで言い切る人も少なくなかった。だからこそ3年半もの時を経ての復活は、企画力に対する自信のなさを感じてしまう。
しかし、現在最も成功を収めている『新しいカギ』(フジ)の「学校かくれんぼ」のように一般人が参加できるゲームなら支持を集められるのではないか。前述した『たけし城』や『炎のチャレンジャー』も一般人が参加できたからこそ人気を得た感があった。視聴率獲得という点で芸能人の存在は欠かせないが、一般人と共存できるゲームバラエティがあれば「学校かくれんぼ」同様にヒットするかもしれない。
木村隆志 きむらたかし コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月30本のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組にも出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』など。 この著者の記事一覧はこちら
(木村隆志)
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