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広島大、甘味カフェイン飲水が体内時計を大きく狂わせることを確認

マイナビニュース / 2024年8月21日 17時34分

画像提供:マイナビニュース

広島大学は8月20日、甘味カフェイン水の自由飲水投与により、普段夜行性のマウスが昼行性になるくらい、体内時計が大きく遅れてしまうことを発見したと発表した。

同成果は、広島大大学院 医系科学研究科の田原優准教授、同・丁靖葦大学院生、同・柴田重信特命教授らの研究チームによるもの。詳細は、食品科学と技術に関する全般を扱う学術誌「npj science of food」に掲載された。

生活リズムに大きく関係するのが、体細胞1つ1つで機能している24時間を計る生体システム体内時計。この体内時計が乱れると、QOLの低下だけでなく、生活習慣病などの疾患リスクにもつながる。そうした中、研究チームは「食べるタイミング」を考える学問の「時間栄養学」を立ち上げ、体内時計を調節する栄養成分の探索を行ってきた。そしてマウスを用いた動物実験で、覚醒作用を引き起こす成分として知られるカフェインの慢性的な投与が、体内時計の周期(1日の長さ)を延ばすこと、夕方のカフェイン投与が体内時計の遅れをもたらすことを明らかにしてきた。

カフェインの摂取は、心血管疾患や糖尿病、死亡率の低下との関連が疫学研究で示されている一方で、中毒性や、睡眠、QOLの低下との関連も指摘されている。また、生活リズムが夜型な人(遅寝・遅起き)は、朝型な人に比べて、カフェインの摂取量が多いという調査結果もある。さらに現在では、カフェインの苦味を抑えるために甘味を付けたコーヒー飲料や甘味カフェインを含むエナジードリンクが多く売られている。ところがこれらは、特に若者において、アルコールやタバコ、薬物などの依存リスクを上げる可能性があるという。そこで研究チームは今回、甘味カフェイン飲水による体内時計や活動リズムの変化を解明することを目的として、マウス実験を行うことにしたとする。

今回の研究では、まず0.1%カフェイン+1%スクロース水(または+0.1%サッカリン水)の自由飲水投与が行われた。すると、マウスの活動開始時刻と終了時刻が有意に遅れたとする。これらの変化は、低濃度のカフェインや甘味水のみでは見られなかったという。また、甘味を付けることによるカフェイン水の飲水量は変化せず、水に比べて飲水量は減ったままだったとした。マウスによっては、活動リズムの遅れだけでなく、26~30時間の長周期リズムが見られる個体もあり、それらの活動リズムは恒暗条件下でも継続することが確認された。

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