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ラムリサーチ、1000層3D NANDの実現に向けた極低温エッチング技術「Lam Cryo 3.0」を発表

マイナビニュース / 2024年8月22日 18時50分

画像提供:マイナビニュース

Lam Researchの日本法人であるラムリサーチは8月22日、同社の第3世代極低温絶縁膜エッチング技術「Lam Cryo 3.0」に関するメディア向け技術説明会を開催。その特徴などを説明した。

現在、AIの活用が世界的に進みつつあり、AI市場は2030年には2兆ドルに達するとも言われている。そうしたAI活用のためにはNANDを主とする大量のストレージが活用されることとなり、数TBクラスのエンタープライズSSDがNAND市場のけん引役になりつつある。しかし、これまでのデータセンターにおけるAI学習ならびに推論活用のみならず、エッジでもAIの推論処理が求められるようになる今後、低価格かつ大容量な高性能NANDが求められるようになると考えられている。近年のNAND容量の増加は、プロセスの微細化ではなく、メモリセル(ワード線)の積層数を増やす方向で進められており、すでに200層を超すデバイスも登場。2030年には1000層を超す超高層3D NANDの実現を目指すとするNANDメーカーも出てきている。

同技術は、そうした先進的かつ複雑なNANDを実現するために開発されたもの。同社は2014年の3D NANDの製造開始時から対応するエッチング装置を提供してきており、2019年にはインストールベースでメモリホール(チャンネルホール)加工向けとして3000チャンバを突破。同時期に、第1世代の極低温エッチング技術「Cryo 1.0」を投入。2024年の現在までにメモリホール加工向けとして合計7500超のチャンバの客先へのインストールを達成。その内1000チャンバがCryo技術に対応したものとなっているとする。

独自の極低温エッチング技術である「Cryo」の仕組みをざっくりと説明すると、チャンバ内のステージに設置された静電チャック部でウェハを0℃以下に冷却(NANDメーカーによって下げる温度は異なるが、-100℃までは行くことはないとラムリサーチでは説明している)しつつプラズマエッチングを行うことで、ウェハへの熱による影響を抑制し、高い精度でホールを形成することを可能にするというもの。プラズマそのものは高温で形成されるためチャンバ全体を冷やすわけではないほか、加工世代ごとにバイアスパワーが高まっており、それに伴ってウェハの温度も上昇することから、その冷却性能の向上なども各世代ごとに図られてきたという。

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