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ラムリサーチ、1000層3D NANDの実現に向けた極低温エッチング技術「Lam Cryo 3.0」を発表

マイナビニュース / 2024年8月22日 18時50分

また、第3世代ではエッチングのためのガス成分の見直しも実施。これにより、より環境負荷を低減しつつ、高い精度での加工を実現したとしており、環境負荷の低減率は常温の加工プロセスと比べて90%の低減、また電力についても同40%の低減と高効率化も実現したとする。

その加工精度についても、メモリホールの形成では、アスペクト比を高めつつも、孔そのものの真円度の高さや壁面の均等度を高める必要があるため、極低温でも壁面への物理吸着が可能なガス成分を独自開発することで、深さ方向の加工としては10μm、エッチングレートも常温プロセス比で2.5倍の速度を達成しつつ、孔の加工精度についても、孔最上部のクリティカルディメンション(CD)(いわゆるMax CD)は108nm、最下部のCD(いわゆるBottom CD)は99nmで、Max CDとBottom CDの差であるΔCDは9nmと、従来手法と比べても格段に改善。ラムリサーチのRegional Technology Group Managing Directorを務める西澤孝則氏は「これまで50:1としていたアスペクト比を100:1へと広げることができるようになる孔の上から下まで垂直にきれいに加工できるエッチング技術ができた」と、その技術の筋の良さを説明する。また、深さとエッチングレートは垂直方向のスケーリングに、CDの制御性はセル密度に起因するパラメータであるが、これらの高精度制御技術により、さらなる3D NANDの大容量化が可能になると同社では説明している。

また、Cryo 3.0への対応チャンバとして、新たに「Vantex Cシリーズ」の提供も開始している。前世代の「Cryo 2.0」に対応する「Vantex Bシリーズ」ならびに初代であるCryo 1.0に対応する「Flex Hシリーズ」チャンバもCryo 3.0への対応が可能で、従来プロセスに対する高精度化を図ることが可能になるとしており、次世代の超高層3D NANDへの適用には最大性能を発揮できるVantex Cシリーズを進めるが、すでに工場内にインストール済みのFlex HシリーズやVantex Bシリーズであっても、アップグレードすることで、制御性などが向上するため、さらなる品質の向上などにつながることが期待できるとのことで、製造装置の投資効率そのものを向上させることができる技術であることを強調。これまでの世代が量産で活用されているという実績を背景に、Cyro 3.0も次世代3D NANDの実現を目指すNANDサプライヤ各社への提案が行われており、すでに一部サプライヤでは評価が進められている状態にあるという。
(小林行雄)



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