東北大、緑茶中のカテキンが主要な歯周病関連細菌を死滅させることを確認
マイナビニュース / 2024年8月22日 19時10分
東北大学は8月21日、緑茶のカテキン成分の一種である「エピガロカテキン-3-ガレート」(EGCG)が、主要な歯周病関連細菌の代謝を抑制することで、増殖抑制と死滅を誘導することを明らかにしたと発表した。
同成果は、東北大大学院 歯学研究科 口腔生化学分野の髙橋信博教授、同・鷲尾純平准教授、同・安彦友希助教、同・樋口真由大学院生らの研究チームによるもの。詳細は、口腔および頭蓋顔面科学に関する全般を扱う学術誌「Archives of Oral Biology」に掲載された。
緑茶に含まれるカテキンは、抗菌作用、抗がん作用、抗酸化作用など、多くの生物学的機能を持つことが報告されている。緑茶のカテキンにはEGCG以外にも、「エピカテキン」、「エピガロカテキン」、「エピカテキン-3-ガレート」があるが、緑茶に最も多く含有されるのがEGCGであり、抗菌効果が一番強いこともわかっている。
研究チームは先行研究により、緑茶と同等濃度のカテキンは、う蝕関連細菌(ストレプトコッカス属)に対し抗菌効果を示すこと、さらにフッ化物とカテキンを組み合わせて使用することで相乗効果が生まれ、より効果的にう蝕を予防できる可能性があることを確認していた。その一方で、歯周病関連細菌に関する研究はこれまでにいくつか報告があるものの、研究によって実験条件やEGCGの使用濃度が異なっているなど、厳密な嫌気環境のもと、同一条件で複数の細菌種を比較・検討した報告はなかったという。
そこで今回の研究では、主な歯周病関連細菌に対するEGCGの殺菌、増殖抑制、代謝活性抑制、菌体凝集の4つの作用について調べ、代表的なう蝕関連細菌「Streptococcus mutans」と比較検討することで、EGCGの抗菌効果を客観的に検証・評価することにしたという。
今回の研究で対象とされた主な歯周病関連細菌は、以下の5種類。
Porphyromonas gingivalis
Prevotella intermedia
Prevotella nigrescens
Fusobacterium nucleatum
Fusobacterium periodontium
そしてEGCGが、これらに対して強力な殺菌効果を持つことが確認されたとした。具体的には、2mg/mlのEGCG溶液と4時間共存させると、すべてが殺菌されたとし、一方のS.mutansに対しては、生存数を約40%減少させるに留まったとした。
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