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宮崎大、熱電変換材料で高性能なp型材料に匹敵するn型材料の開発に成功

マイナビニュース / 2024年8月23日 17時37分

CZTSは、永岡准教授が同大学の大学院生時代から研究を続けてきた材料であり、その大学院生時代に大型で高品質なCZTS単結晶成長にも成功している。構成元素組成などをチューニングすることで、環境調和したp型硫化物熱電材料において高い性能指数となるZT=1.6が達成されていた。

CZTSにおいてアクセプター欠陥は、ドナー欠陥よりも形成されやすいため、p型伝導のみが示されるという。そのため、組成制御および不純物ドーピング技術を用いた伝導型制御は難しく、信頼性のあるn型CZTSは報告されていなかったとする。

CZTSのn型化のために理論計算からアプローチが行われ、銅を同じI族元素である銀で置換することで、アクセプター欠陥が抑制され、効率よくドナー欠陥を形成することが明らかにされた。結果として、CZTSにAgを混晶させた「(Cu1-xAgx)2ZnSnS4」(CAZTS)単結晶において、x>0.4の組成でn型化に成功し、最適な組成制御を行うことで、最終的にn型硫化物熱電材料において高い値となるZT=1.1が達成された。さらに、n型CAZTS単結晶において、熱電変換効率3.4%が示され、数百度の温度差でミリワットの電力を出力することに成功したという。

研究チームは現在、今回の成果も活用し、長期安定性・高効率な環境調和した熱電デバイスの開発を進めているとする。さらなる研究開発により、従来の特性を凌駕する高性能熱電デバイスを創出することができれば、熱電変換が汎用的なエネルギー源として普及していくことが期待されるとしている。
(波留久泉)



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