1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

九大、東アジア全域の台風の降水量が近年急増していることを確認

マイナビニュース / 2024年8月27日 6時22分

今回解明された主な知見は以下の3点。

台風による降水が、コア降水と遠隔降水に分離・同定された結果、遠隔降水は西日本と朝鮮半島に大きな影響を与えていることが判明。また、遠隔降水の変動度は日本では北海道地方が最大だった。
東アジアの極端降水に関しては、台風による降水が日降水量50mm以上(降水域で領域平均)の日数は、今世紀に入って東アジアで約2.2倍に急増しており、近年の台風による極端降水が増加傾向にあることが確認された。極端降水の増加にはコア降水が大きく寄与している一方、日降水量20mm以上50mm未満の大雨日数で見ると、遠隔降水は今世紀に入って60.8も増加していたという。
台風経路は太平洋十年規模変動と同期しながら、今世紀に入って大陸側にシフトしており、特に南西諸島や台湾付近を通過する台風が増加している。このシフトにより、結果的にコア降水が陸上の極端降水に大きく寄与したことが考えられるほか、遠隔降水の急激な増加とも密接に関連していることがわかった。

今後は台風災害のリスクアセスメントに大きな貢献が期待できるとする。今回の研究成果から、太平洋十年規模変動などの気候システムの自然変動による台風災害リスクの長期的変化と、温暖化の進行によって予想される台風リスクの将来変化を適切に区別する必要性が再認識されたという。

また遠隔降水においては、メソスケールの線状降水帯もしばしば発生する。親システムである台風から、より小さなスケールの極端現象(子システム)への連鎖の評価の必要性、つまり豪雨災害ハザードの予測には現象の階層構造の把握と予測が必須であるとした。子システムへ連鎖することで、激甚化したような甚大な災害が多数発生している事実から、この連鎖プロセスの理解が重要な課題として残されている。今後、数年~10年スパンで地域の豪雨災害ハザードが増大(あるいは緩和)する可能性を予測するためには、近未来予測の不確実性を低減させる上での大きな障害となっている「極端現象へ連鎖していくか否か」という重要かつ喫緊の課題を克服していく必要があるとする。今回の成果は、その課題解決にも活用されることが期待されるとしている。
(波留久泉)



この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください