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JAMSTECなど、九州カルデラ最南端「鬼界カルデラ」の噴火メカニズムを解明

マイナビニュース / 2024年8月27日 6時35分

画像提供:マイナビニュース

海洋研究開発機構(JAMSTEC)と神戸大学の両者は8月22日、九州南方の海域に位置し、大規模なカルデラ噴火を繰り返し起こしてきた「鬼界カルデラ」の周辺で地球深部探査船「ちきゅう」が採取したコアに含まれる火山ガラスと鉱物の分析を行い、カルデラ噴火から次のカルデラ噴火へ至るまでのマグマ供給の変化とマグマ蓄積のメカニズムを解明したと共同で発表した。

同成果は、JAMSTEC 海域地震火山部門 火山・地球内部研究センターの羽生センター長代理、神戸大学大学院理学研究科惑星学専攻/海洋底探査センターの島伸和教授らの共同研究チームによるもの。詳細は、英科学誌「Nature」系の地球・環境・惑星科学を扱う学術誌「Communications Earth and Environment」に掲載された。

九州のカルデラ火山で最南端に位置する鬼界カルデラは、鹿児島の南方約100kmにあり、カルデラ縁の一部が薩摩硫黄島、竹島として陸上に出ているが、大部分は海面下に存在する。同カルデラは、カルデラ噴火を過去3回起こしたことがわかっており、7300年前のものは完新世(約1万2000年前~現在)に起きた地球上の噴火のうちで最大規模のものだったとされる。火砕流は海を渡って九州南端などに到達して同地域の縄文文化を壊滅させ、再び人が定住できるようになるまで1000年以上の時間がかかったという。カルデラ火山は繰り返しカルデラ噴火を起こす傾向があり、鬼界カルデラでは約14万年前と9万5000年前にも確認されており、後者も7300年前の噴火と同程度の規模だったと考えられている。

鬼界カルデラでは、現在も火山活動が断続的に起きており、薩摩硫黄島の硫黄岳は日本でも有数の活火山。しかし、7300年前以前の活動に関しては詳細な記録がほとんどないという。薩摩硫黄島と竹島に籠港テフラと呼ばれる約1万6000年前以降の噴出物が堆積した地層があるが、詳細な調査は行われておらず、それ以前の噴出物は9万5000年前のものまで遡ってしまっていた。つまり、カルデラ噴火に至る噴火準備過程として、カルデラ下にどのようにマグマが供給、蓄積されていったのかその詳細が不明だった。

「ちきゅう」を用いた表層科学掘削プログラム(SCORE)により鬼界カルデラの北東側の海域で得られた掘削コア試料には、9万5000年前と7300年前の2回のカルデラ噴火の噴出物に加え、その間に起きた噴火によると考えられる噴出物も含まれていた。コアに含まれていた生物試料を用いた炭素14年代測定法により、9万5000年前のカルデラ噴火が起きた後、少なくとも4万3000年前には小・中規模の噴火活動が始まり、7300年前のカルデラ噴火に至るまで一定の規模の噴火が継続していたことが判明した。

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