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『海のはじまり 特別編』なぜ重要な時期の“1回休み”でも視聴者に受け入れられたのか

マイナビニュース / 2024年8月28日 11時0分

○次作はさらに特別編が増えるか

あらためて、最後に連続ドラマの特別編そのものについてふれておこう。

基本的に連続ドラマは“1話1時間×1クール(9~11話程度)”という枠が決まっていて放送できるシーンが限られている。制作サイドは「本当は描きたいけど枠の問題であきらめた」「主人公以外の人気キャラにもっとスポットを当てたかった」、一方の視聴者も「できることならそれを見たい」と思っているケースは多い。

もちろん放送にしろ配信にしろ営業的なうまみがなければ特別編は制作できないのだが、放送が始まって視聴者の反応を見て決断するのでは間に合わない。クランクイン前などの早い段階で「このキャストとスタッフなら放送か配信のいずれかで稼げるのではないか」と見立てて動いておくべきだろう。

その点、『海のはじまり』は“全12話”で放送されるところが興味深い。近年の連続ドラマは全10話がベースであり、全12話は異例の長さ。TVerのスピンオフ配信や特別編の放送と同等以上に、本編の長さに「ヒットするのではないか」という確信に近い見立てがうかがえた。

実際に、『海のはじまり』は放送開始1か月弱で見逃し配信2,000万回を突破したほか、Xの世界トレンド1位を記録し続けるなどの結果を残している。さらに、今回の特別編も「続きが見たい」という声が多かったように、脚本・演出のレベルは本編に勝るとも劣らないものがあった。だからこそ村瀬プロデューサー率いる同チームの次作は、より多くの特別編が手がけられるかもしれない。

とにかくお金が稼げるコンテンツとして成立させる精度が高いチームだけに、ファンサービスというもう1つの目的を忘れることなく、今後も積極的に仕掛けてもらいたいところだ。

木村隆志 きむらたかし コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月30本のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組にも出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』など。 この著者の記事一覧はこちら
(木村隆志)



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