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金大、脳の記憶や学習に重要なAMPA受容体のナノスケールでの動きを撮影成功

マイナビニュース / 2024年8月27日 21時2分

また高速AFMにより、時折、NTDダイマーが1つ(モノマー)に分かれたり、再び元のダイマーに戻ったりする様子が観察されたとする。この「ダイマー分裂」現象はすべての状態で見られたが、特に、オープン/活性化状態では、分裂している時間が長いことがわかった。

さらに、AMPA受容体のNTDダイマーは非常に強固なものと考えられていたが、時折、NTDダイマーが1つ(モノマー)に分かれたり、再び元のダイマーに戻ったりする様子も観察された。このダイマー分裂が、AMPA受容体のシナプス領域への集合に深く関与している可能性が考えられたことから、複数のAMPA受容体が隣接している部分にも焦点を当てての高速AFM観察が行われた。

その結果、近くに存在する2つのGluA2-γ2がそれぞれダイマー分裂を起こし、再び元のダイマーに戻る際に、もともとの四量体内で組み直すのではなく、隣のGluA2-γ2とサブユニットを交換して新たなダイマーを形成することがわかった。ダイマー分裂でNTDダイマーが交換されることで、他のAMPA受容体同士が結びつき、結果的にAMPA受容体がシナプス領域に集まってとどまるというメカニズムが考えられるとした。

次に、シナプス領域で分泌されるシナプスオーガナイザータンパク質「神経ペントラキシンNP1」が注目された。GluA2-γ2とNP1の複合体が予測され、実際に高速AFMによりNP1の八量体構造とGluA2-γ2との結合が観察された。なお、ダイマー分裂によってNP1とGluA2-γ2の間に、新しい結合部位が現れる可能性が示唆されたという。GluA2-γ2のNTDダイマーの分裂は、NP1との新しい結合部位を生み出し、シナプス領域での結合力を強化することが考えられるとしている。

研究チームは今後、ダイマー分裂が細胞膜上で起こっているのか、他のシナプスオーガナイザータンパク質との結合、さらには、記憶や学習に関与する他のグルタミン酸受容体のナノ動態観察を通じて、記憶を分子レベルで解明していきたいとしている。
(波留久泉)



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