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千葉大、うつ病と社交不安症に関わる脳機能の異常を解明

マイナビニュース / 2024年8月28日 20時58分

画像提供:マイナビニュース

千葉大学は8月27日、fMRIを用いてうつ病および「社交不安症」の脳機能を局所レベルとネットワークレベルの双方において比較することにより、両疾患の脳機能の共通点と相違点を明らかにしたことを発表した。

同成果は、千葉大 子どものこころの発達教育研究センターのJunbing He特任研究員、同・平野好幸教授、同・清水栄司教授らの研究チームによるもの。詳細は、メンタルヘルスに関する全般を扱う学術誌「Journal of Affective Disorders」に掲載された。

うつ病も社交不安症もどちらも精神疾患であり、前者は持続的な気分の落ち込みと興味・喜びの消失を特徴とし、後者は社交的な状況に対する持続的な恐怖・不安を特徴としている。両疾患の併存率は15~74.5%と高く、感情調節や社会的機能の障害、注意の偏りなど、共通する症状も数多く確認されていた。また、抗うつ薬や認知行動療法などの同一の治療戦略に反応することから、うつ病と社交不安症は類似した病因と病態生理を持つ可能性が示唆されているという。

両疾患共にQOLを大きく損なうだけでなく自殺のリスクを高めるため、正確な診断と速やかな治療介入が不可欠。両疾患に対し、より適切な診断や治療を行っていくためには、両疾患の脳機能にどのような共通点や相違点があるのか、健常者と比べて脳のどのような機能に異常が生じてしまっているのかを解明する必要があるが、それらはまだ十分にわかっていないとする。

近年、fMRIを用いて、局所的な脳活動の指標である「低周波変動振幅」や脳の領域間(ネットワーク)の機能的な関係性の強さの指標である「機能的結合性」を測定することで、安静時の脳の機能にどのような異常が生じているかを調べ、精神疾患のメカニズム解明を試みる研究が多く行われているという。そこで研究チームは今回、低周波変動振幅と機能的結合性の両指標を組み合わせることで、局所レベルとネットワークレベルから両疾患において生じている脳機能変化を総合的に探索し、両疾患の共通点や相違点、健常者との違いを解明することにしたとする。

今回の研究では、選択基準を満たす健常者82名、うつ病患者48名、社交不安症患者41名が参加して実験が行われた。全参加者に対して「リーボヴィッツ社交不安尺度」および「BDI-IIベック抑うつ質問票」などの心理尺度を使用して重症度の評価が行われ、そして安静状態でfMRIの撮影が行われた。

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