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阪大と富士通、量子コンピュータの性能を向上させる実用アルゴリズムを開発

マイナビニュース / 2024年8月29日 17時43分

またSTARアーキテクチャに基づいた、量子ビットの具体的な操作手順を自動生成するシステムである「量子回路ジェネレータ」も構築された。同システムでは、量子計算の基本的な操作である論理ゲートから、実際に量子ビットを操作する物理ゲートまでを一気通貫に変換し、さらに量子ビットの操作手順を動的に変更することにより、計算時間を極限まで短くする高速化技術が搭載されている。これにより、STARアーキテクチャを使って、さまざまな計算問題を解くための具体的かつ効率的な方法が明らかにされたとした。

今回の計算規模拡大と量子回路ジェネレータの高速化技術を駆使し、STARアーキテクチャでハバードモデルを計算する際に必要となる量子ビット数と計算時間の分析が行われた。すると、6万個の量子ビットがあれば、現行コンピュータが約5年かかる8×8結晶格子ハバードモデルの計算を、わずか10時間で計算実行可能なことがわかった。これは、FTQCで現行コンピュータの計算速度を超えるのに典型的に必要とされていた100万量子ビットに比べると1桁以上小さく、2030年ころに到来が予期されるEarly-FTQC時代(数万程度の量子ビットしか実装できておらず、誤り耐性量子計算が十分に実現できないと考えられている時代)に実現可能な規模とした。

より大規模なハバードモデルの計算が解けると、他の解析手法との組み合わせで超伝導物質の電子状態のより詳細な分析が可能になり、高温超伝導体などの産業用材料の開発を加速させることが期待できるという。今後は、STARアーキテクチャの計算規模をより拡大させると共に、量子コンピュータ実機を用いた、より複雑な材料物性計算や量子化学計算、量子機械学習などの実現を目指すとしている。
(波留久泉)



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