『24時間テレビ』“このままではできない”危機から放送決断 総合Pが明かす改革断行の舞台裏と覚悟
マイナビニュース / 2024年8月30日 6時0分
例年では準備が始まっている時期だったが、ここで制作がストップ。年が明けて2月1日に内部調査の結果と再発防止策を発表、同17日にこれまでのチャリティー活動と再発防止策に基づいた今後の活動について報告する特別番組を放送し、日本テレビとして2024年も放送することを決めた。
これを受け、再び動き出した制作チーム。まずは一旦決めた「愛は地球を救うのか?」というテーマをもう一度見つめ直す作業から始まったが、「チャリティーの本質を見直さなければいけないという決意と覚悟は、より明確になっているのではないか」と捉え、改めてこのテーマを打ち出すことにした。
○水卜アナの葛藤「あんなに悩んでいる姿は見たことがなかった」
「愛は地球を救うのか?」というテーマを発表したのは、6月20日。プレスリリースで吉無田氏が代表して制作チームの思いを発信したのと同時に、総合司会11年目になる水卜麻美アナウンサーが『ZIP!』の生放送で伝えた。一部では、「水卜アナが会社を代表して謝罪させられている」という批判もあったが、その構図は誤解であると説明する。
「水卜は昨年11月に着服の件が起きてから、会社としての謝罪や再発防止策などを発表した後でないと自分が個人で発信できないことも含めて、本当に悩んでいました。“募金よろしくお願いします”と10年にわたり最前線で言ってきたからこそ、ある意味プロデューサーの私以上に責任や葛藤を感じていて、あんなに悩んでいる姿は見たことがなかったです。そして今年のテーマを発表するときに、自分がどう思っているのかを自分の言葉で伝えることに決めた結果、彼女は自分が謝罪したいという気持ちで頭を下げました。だから、会社を代表して謝っているわけではないんです」
そんな水卜アナの気持ちと同じように、吉無田氏も悩み抜いた中で、「正直、まだ多くの方の理解を戴けているとは思っていません。一度、揺らいでしまった信頼はすぐには取り戻すことはできないと感じています」と、プレスリリースで本音を打ち明けた。
「公式な文書で出すことが正解だったのか分かりませんが、作り手としても放送することが当たり前だとは思っていないし、放送することに“違うんじゃないか”と思う方がいるのも当然だと思うんです。でも、放送しないことでチャリティーが届かなくなってしまうところもある中で、最終的に“やる”と判断をしたからには、なるべく多くの人に理解して、受け入れていただけるような放送にしなければ、という思いでした」
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