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岩手医科大、遺伝的な肥満度を表すリスク指標「obPGS」の日本人版を開発

マイナビニュース / 2024年8月30日 16時17分

画像提供:マイナビニュース

岩手医科大学は8月29日、遺伝的な肥満リスクを表す肥満ポリジェニックスコア(PGS)「obPGS」を日本人で計算するための新たな計算式(モデル)を開発し、同モデルを用いて約7万人分のobPGSを計算した結果を基に、遺伝的な肥満になりやすさと生活習慣との関わりを詳しく分析したところ、遺伝的に肥満になりやすい人でも、余暇の運動や塩分摂取を控えるなどの生活習慣を持っている場合は、一定の肥満リスク低減効果が現れていることが明らかになったと発表した。

同成果は、岩手医科大 いわて東北メディカル・メガバンク機構 生体情報解析部門の須藤洋一特命准教授、同・清水厚志教授/部門長らの研究チームによるもの。詳細は、日本人類遺伝学会が刊行する遺伝学に関する全般を扱う公式学術誌「Journal of Human Genetics」に掲載された。

肥満は、喫煙や過度の飲酒などと同じく、脳卒中、心疾患、糖尿病などの発症リスクを高めることが知られている。一般的に肥満の主な原因としては食生活の乱れや運動不足が挙げられており、肥満を防止・改善するためには、適度な運動を行い、食事量を調整することが有効とされている。その一方で、肥満にはそもそも体質的になりやすい人となりにくい人が存在し、遺伝的な影響も受けていることが知られており、遺伝的に肥満になりやすい人にとっても、適度な運動や食事量の調整などの対処法が有効なのかは不明だったという。そこで研究チームは今回、遺伝的な肥満のなりやすさを表すPGSを計算する方法を開発し、それを用いた分析を試みたとする。

PGSは、疾患などへの遺伝的なかかりやすさ(リスク)を示す指標で、現在さまざまな疾患に対して開発が進められている。肥満に対するPGSの計算法は、研究チームが研究を開始した時点ですでにいくつかが開発されていたというが、その大半が欧米人向けとして開発されたものだったとのこと。またPGSは民族が異なると精度が悪くなることが知られており、日本人を対象とするには日本人に適した方法が必要となることから、今回の研究では、日本人のデータを基にしてobPGSが開発された。このobPGSを使えば、遺伝的に肥満になりやすいかどうかを数値として表すことができるとする。

その後、東北メディカル・メガバンク計画地域住民コホート調査参加者から提供を受けた情報を活用し、新たな計算方法を用いて約7万人分のobPGSが算出された。その数値を使い、約7万人をobPGSが低い群(下位10%)、高い群(上位10%)、それ以外の中間的な群の3群に分類して詳しく調べたという。

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