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本好き共通の悩み。巨大地震発生が危惧される今、我々は大量の本で埋まる『本棚』をどうするべきか

マイナビニュース / 2024年9月3日 11時10分

しかしそれこそ我が人生とも思っていて、収集がつかない本棚の前に立ち、本の背表紙を眺めていると、“これでいいのだ”という気がする。
始末の悪い話だけど。

○■もしも巨大地震が来たら? 本に埋まって死ぬということ

我が家の本棚はほとんどが2列になっていて、表に見えている本の奥には、本がもう1列並んでいる。
本の整理術としては、この“2列形式”は避けるべきとされている。背表紙が見えていないと、どこにどんな本が収められているのか、自分でもわからなくなるからだ。
でも、1列にすると狭い我が家の中にはとても収まりきらないので、致し方がない。

このカオティックな本棚の中には、幼少期に読んだ漫画本から、高校生時代に夢中になって読んだサブカル雑誌、大学時代の教科書だった心理学の本、ライフワーク的な音楽を中心とするカルチャー本やファッション関連本、それに、つい最近読了した本までもが分け隔てなく並んでいる。
どれもが自分の人格形成に少なからず影響を与えてきた本なので、誰がなんと言おうと手放すことはできない。
それは過去の自分を切り捨てるような行為だからだ。

とはいえ、この本棚にも少し問題があることは分かっている。
いや、“少し”どころか、たいへん重大な問題なのかもしれない。
近年、巨大地震の発生が危惧されている日本では、地震対策が重要視されている。
もし、今この瞬間に地震が起こったら?
積み上げている本棚の本が、僕を殺す光景が頭をよぎるのだ。

部屋を見回し、もし地震が来たらどのように行動すべきかをシミュレーションしてみる。
窓から脱出する? それとも、机の下に隠れる? どちらにせよ、一瞬で本棚が崩れたらただでは済まないだろう。
数千冊の本が一気に倒れてくるのだから、それはまさに「紙の津波」とでも言うべき状態になるのかもしれない。
僕はその波に飲み込まれ、圧死あるいは窒息死するのだ。

東日本大震災の後、真剣に対策を考えたこともある。
そしてもっともやばそうな、仕事部屋にある壁一面の本棚には、つっぱり棒形式の家具固定器をかました。
しかしこの装置には限界があり、直下型のように一瞬で激しい揺れに見舞われる地震の場合、無力であるとも言われている。

もっとも根本的な地震対策は、もっと整理して本の数を減らすことなのだが、それは無理な相談だ。
どの本をとっても宝物で、簡単に手放せるものではないのだ。
手に取る本ごとに、その本に残る思い出や感情が蘇り「よしよし、お前を売ったりはしないからな」とつぶやきながらそっと撫で、また本棚に戻してしまう。
地震の際には凶器に変貌するかもしれないのだが、こいつらに殺されるならそれもまた本望……。そんな死に方も悪くはないと、半ば本気で考えている。

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