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デジタル広告から人材育成に転身し、新規事業立ち上げへ - 電通デジタル人材開発プランナーにみるキャリアの新しい形

マイナビニュース / 2024年10月4日 14時15分

このプログラムは受講者、会社から好評を博した。例えば、研修を受けた社員が顧客と雑談中に業界歴を話したところ、「それほど短い業界歴とは思っていなかった」というフィードバックがあったそうだ。

求める人財像をスキルマップで可視化

その後、太刀川さんは所属領域の既存社員のスキルを向上するプロジェクトに加わった。

そこではまず、曼荼羅マップを使って広告の領域で必要なスキルを64つ定義し、それぞれについて5段階で評価した。現在の人材を「メディアプラン」として、求める人材像を「広告専門家」「デジタルビジネスプロデューサー」「統合マーケ人材」の3種類に区分、各人材タイプで必要とされるスキルの重要度を具体的に表した。

例えば、最も難易度が高い「統合マーケ人材」は、「データアナリティクス等の知見があり、インサイト→消費者認知変容について、各専門家を巻き込んで企画・ディレクション、課題解決に沿った見極めと評価・推進ができる人材」といった具合だ。

そのような準備をした後、約500人の社員にアンケートをとり、自分がどの人材タイプに当てはまるのか、どの要素が強いのか/弱いのかなどがわかるようにした。その結果を本人やマネージャーと共有して、どういうプロジェクトアサインが必要かを話し合ってもらったり、また、太刀川さんの方で研修提供や動画提供をしたりしているという。

このほか、研修では組織横断をしてデジタル広告とクリエイティブがお互いに学び合うようなプログラムを作っているそうだ。お互いの業務を知ることで新たな気づきを得ることが目的で、今後は受講者がどのぐらい成長したのかを追跡することも考えている。

「人事計画グループで開発プランナーという役割を担っているので、横串で見ることができるとともに、育成という定量的に判断しにくい領域を定量的に効果計測が可能です」(太刀川さん)
パッケージ化して新規ビジネスを立ち上げ

このように、太刀川さんは人事計画グループに異動後、中途入社向け、既存社員向けの研修プログラムに取り組んできた。こうした取り組みに対する評価が少しずつ口コミで広がり始めた。太刀川さんの元に、社内だけでなく電通グループ全体、さらには外部のクライアントから依頼や相談が入るようになったのだ。

例えば電通では、新入社員やキャリア採用社員向けを中心に、デジタル広告の基礎を学ぶデジタル冊子を公開した。社外では、三菱地所より電通デジタルに依頼があり、同じようなテーマで3~4時間の研修を行った。三菱地所においては、デジタル広告で実務に活用できるノウハウに加え、代理店などの外部の企業の適切なコミュニケーションから結果にコミットする意識づけを学ぶことを目的として、ケーススタディを通じた実践的な演習を実施した。

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