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台風の中で決行し、高視聴率という結果を得た『24時間テレビ』は成功なのか――最大の危機を最高のチャンスに変えられないもどかしさ

マイナビニュース / 2024年9月3日 13時0分

今回は総合プロデューサーの吉無田剛が「今、チャリティー番組、24時間テレビの果たすべき役割は? 自らの活動、番組の在り方を問い直す、そんな新しい24時間テレビ“元年”にします」などとコメントしていたが、視聴者には“新しさ”は伝わらなかったのかもしれない。

●「着実に数字を取る」日テレらしい構成
それでも、リアルタイムで見た人の反応は好意的なもののほうが多かったのではないか。そもそもチャリティーが目的の番組が希少な上に、長時間生放送番組ならではの大型イベント感や臨場感もあって、コーナーの多くが「『24時間テレビ』でしか見られないコンテンツ」となっていた。

とりわけ走り切って募金額を聞き、安堵の表情を浮かべたやす子の姿を見て、「やる意味はあった」と感じた人は多かったのではないか。やす子は無報酬で走ったことを明かしたが、チャリティーに懸けるウソのない思いが視聴者の心を動かしたのかもしれない。

いかにも日テレらしかったのは、やす子やオリンピアンの好感度を前面に押し出しつつ、能登復興や障害者支援の企画を散りばめたそつのない構成。「チャリティーマラソン」と「ダーツの旅」という力のあるコーナーに最も時間を割いたことも含め、「着実に数字を得る」という点でシビアなマーケティングに定評のある日テレの強みが表れていた。

クライマックスで「サライ」が流れる中、総合司会の羽鳥慎一が「今年は番組第1回からの大テーマ『愛は地球を救う』にクエスチョンマークを付けました。『原点に立ち戻り、番組の意味を考え直し、チャリティーの本質を見つめ直す』という決意と覚悟を持って臨みました」と制作サイドの思いを明かしつつ、「どれだけの方にご理解を頂けたかは分かりません。ただ、『放送しないことでチャリティーが届かなくなってしまうところもある。継続することに意味があるのではないか』という思いで私たちは今年の放送を決断しました」と正当性を主張した。

これをやす子の奮闘とゴールに絡めて出演者に言わせてしまうところに、『24時間テレビ』と日テレが批判される要素を感じてしまう。これを伝えるとしたら、エンディングではなくオープニングであり、出演者ではなく局か制作のトップが「その決意と覚悟を見てください」と語っていたら、「日テレと『24時間テレビ』は変わった」という評価に一変した可能性はありそうだ。

○進行形の被災をピックアップできず

今回の『24時間テレビ』を振り返るとき、台風と大雨のことを語らないわけにはいかないだろう。いくらか変更や中止を余儀なくされたことこそあったものの、主な企画は問題なく放送されていた。

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