筑波大や伊藤園など、抹茶が睡眠の質と社会的認知機能を改善することを確認
マイナビニュース / 2024年9月3日 21時7分
MCBI、筑波大学、メモリークリニックとりで、伊藤園の4者は9月2日、認知症の前段階である「軽度認知障害」(MCI)と、さらにその前段階の「主観的認知機能低下」(SCD)の高齢者を対象にした臨床試験「抹茶の認知機能低下抑制効果を評価する試験」を共同で実施し、抹茶を継続摂取することによる社会的認知機能の改善および睡眠の質の向上傾向を確認したことを共同で発表した。
同成果は、MCBI 研究開発担当の内田和彦取締役会長、筑波大 医学医療系精神医学の新井哲明教授、メモリークリニックとりでの朝田隆理事長、伊藤園 中央研究所の瀧原孝宣所長らの共同研究チームによるもの。詳細は、米オンライン科学誌「PLOS ONE」に掲載された。
緑茶とは、茶葉を発酵させずに製造した不発酵茶の総称であり、製法によって玉露、煎茶、番茶、焙じ茶、そして抹茶などに分かれる。抹茶は甜茶(てんちゃ)が原料で、茶葉を摘む前に、藁や専用の黒いシートなどを20日間ほど被せて日光を遮った上で蒸して乾燥させ、これを石臼で細かく挽いたもの。日光を遮ることで茶葉の色が濃くなり、身体にはいいが渋みの元でもある緑茶の成分としてお馴染みの「カテキン」の生成が抑えられ、うまみ成分の「テアニン」が主要成分となる。テアニンは、ストレス緩和、睡眠改善、さらにはワーキングメモリ(作業記憶)の改善などの効果があることがわかっている。またカテキンには、血中コレステロールの低下、体脂肪の低下、さらにはワーキングメモリの改善などの効果があることが報告されている。
なお、中高齢者を対象にした抹茶を1日2gずつ12週間、継続摂取した過去の実験では、注意力と判断力の精度を高める効果があったことが報告されていた。そこで研究チームは今回、抹茶の長期摂取の介入前後に、試験参加者への認知機能検査、睡眠調査、血中バイオマーカー測定、脳イメージングなどを実施し、抹茶の効果を総合的に解析する臨床試験を行うことにしたという。
実験では、60~85歳の939名の応募者の中から、MCIおよびSCD(客観的には認知機能の低下は認められないが、物忘れの自覚がある自分だけが気づいているMCIの前段階)と診断された99名が対象とされ、抹茶の長期摂取による認知機能などへの影響が、二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験により検証された。試験食品は、抹茶群では抹茶2gを充填したカプセルを、プラセボ群では着色コーンスターチを充填したカプセルがそれぞれ用いられた。抹茶の1日あたりの摂取量は、薄茶お点前一杯相当量にあたる。試験開始時から12か月間の各評価項目の変化が、「混合効果モデル」により統計的に検証が行われた。
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