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JAXAとESAの水星探査機「ベピコロンボ」、エンジン不調で到着は1年遅れに

マイナビニュース / 2024年9月3日 20時32分

今回のスケジュールの変更は、2024年4月に発生した電気推進モジュール(エンジン部)の電源系に不具合が生じ、イオンエンジンを最大出力で噴射できなくなったことが原因だという。ベピコロンボは、サンシールド内に格納された「みお」、その下にMPO、その下に電気推進モジュールという構成で大きく3つのモジュールで構成される。不具合を調査した結果、電気推進モジュールの太陽電池アレイ(太陽光発電パネル)と、電力を抽出してベピコロンボのほかの部分に分配するユニットの間に予期しない電力消費が確認され、電気推進に利用できる電力量が減少していること判明したのである。そのため、9月2日に出力を下げて運用することが決定。その結果、新たな軌道を通ることとなり(ただし、5回目と6回目の水星での減速スイングバイは同じ日程)、4回目の減速スイングバイでは当初の予定よりも水星に35kmも近い地点を通過することになったのである。これにより、5回目の減速スイングバイ時に必要な推力を減らすことができ、最後の6回目の減速スイングバイにおいて、2026年11月に到着するための新たな軌道に入ることになる。

現在、ベピコロンボは「みお」とMPO(と電気推進モジュール)がドッキングしており、上述したように「みお」はサンシールドの内側に格納されていることなどもあり、現時点では搭載機器のすべてを使うことはできない。しかし、全体で16ある観測機器のうち、今回の減速スイングバイでは10個が使用可能だという。メインカメラは今回は使用できないが、電気推進モジュールに搭載されている3機のカメラは使用可能で、最接近から24時間後までの撮影が行われる計画だ(M-CAM1は最接近の12分後から24時間後まで、M-CAM2は最接近の瞬間から2時間後まで、M-CAM3は最接近後の2から12分後まで)。今回は北極側から接近して南極側へと抜けていくコースのために主に南極側が撮影されることになる。そして、9月下旬には全画像が公開される予定としている。
(波留久泉)



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