1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

どこでもサイエンス 第291回 「テクネチウム」 周期表で銀の手前なのに、自然界に存在しないひねくれた奴

マイナビニュース / 2024年9月4日 7時27分

画像提供:マイナビニュース

原子番号43、「テクネチウム」。テクニカルに作られた人類初の人工元素であるゆえ、この名前が付けられています。ちなみに42番はモリブテン、44番はルテニウム、46、47番には銀歯でおなじみパラジウムと銀であって、銀より原子番号が手前なのに、こんなところに人工元素!? なのがテクネチウムです。テクニカルだからテクネチウム。それだけ知っていれば10分はネタになるわけですが。今回、もうちょっとお話を膨らませておきますね。

周期表、かつては周期律表といっていましたが、周期表。periodic table。元素を、横18マスの表に原子番号順+性質で並べたものでございます。

ロシアの化学者、メンデレーエフさんが元素を軽い順に並べていくと、周期的に同じような性質の元素があるぞ。と気がついて、未発見の元素もふくめて表にしたのがはじまりでございます。1869年に提唱され、2019年は150年目ということでユネスコが国際周期表年に定めました。学校で習わされるというだけでなく、もちろん大切な自然界の性質なのでございます。

元素は軽い1番の水素からはじまり、2番ヘリウム、3番リチウムとなっていきます……はい、「水平リーベ僕の船」で覚えましたな。で、現在118番オガネソンまで周期表に並んでいます。

「現在」というのは、メンデレーエフの当時は周期表には、50個程度しか元素が発見されておらず(ちなみに1番の水素は変人キャベンディッシュが発見)、しかもところどころ歯抜けになっていたのでございます。ヘリウムをはじめとする貴ガスなど、縦一列(メンデレーエフのやり方だと横一行)まるっと抜けております。周期表については化学WEBならこの方、ケムステさんが詳しく紹介されていますね。

さて、この歯抜けなことなどから、メンデレーエフの周期表はすんなりとは認められず、「おい、何いってんだ」と周囲の化学者からは、低評価だったそうです。ところが、歯抜けだったところをメンデレーエフは「ここには未知の元素があるはずじゃい」「こんな性質のはずじゃい」と予言したら、ズバリ! ガリウムが発見され、まさに性質がその列(メンデレーエフの周期表では行)の元素に似ていたことから、メンデレーエフの周期表はにわかに評価されていきます。

さて、化学者はこれを見て、周期表に抜けている部分には未発見の元素があるはずと考え、元素ハンティングのマップとして使うようになるわけです。あらかじめ性質がわかっていれば、その性質のものを選り分ける実験をすればよいので、効率が良かったのですな。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください