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京大、腸内細菌叢が幼児の気質と関連を持つことを発見

マイナビニュース / 2024年9月9日 20時40分

気質と腸内細菌叢の関連については、相関分析を用いた探索的な事前検討が行われ、その上で重回帰分析による検討が行われた。その結果、気質と腸内細菌叢の関連について、以下の3点が明らかとなったという。

気質は、腸内細菌叢の構成の違いと関連していた。気質のうち、高次因子の否定的情動性と下位尺度「恐れ」、「怒り」、「悲しみ」、「内気さ」の得点の高さは、腸内細菌叢の構成の違いと負の関連が見られたとする。また、高次因子の外向性/高潮性と下位尺度の「衝動性」の得点の高さは、腸内細菌叢の構成の違いと正の関連が見られた。
腸内細菌叢の構成の違いに、どの菌が寄与しているかが調べられた。すると、酪酸の産生や抗炎症に関わる腸内細菌と、炎症の誘発に関わる腸内細菌が寄与していることが判明。まとめると、腸内細菌叢の構成の違い(ディスバイオシスな状態)は、不快情動やストレス反応の表出の多さ、さらには快情動の表出や新奇な環境や刺激に対する探索接近行動の低さと関連することが確認されたとする。
腸内細菌の多様性は、気質の下位尺度の衝動性と正の関連が見られたという。つまり、腸内細菌叢の多様性が高い子どもほど、新しいことに挑戦したり、動機に基づいて行動したりしやすい特性を持つことが判明した。

今回の研究により、腸内細菌叢を幼少期に改善することで、メンタルヘルスのリスクを緩和、予防できる可能性があるという。今後は、今回の研究で示された結果(仮説)を長期縦断的に検証していくことや、腸内細菌叢を改善する介入(食生活習慣への介入やプロバイオティクスの投与)によって因果の検証を行う必要があるとする。将来的には、子どもの心身の健康を早期にかつ客観的にスクリーニングする手法や、個々の心身の特性に合わせた個別型の発達支援法の開発なども期待できるとしている。
(波留久泉)



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