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理研、老化すると組織幹細胞も疲弊することをハエから発見

マイナビニュース / 2024年9月12日 6時41分

Trlは、染色体構造を制御して標的遺伝子の発現や抑制に関わることが明らかにされている。また、Trlの発現制御を受ける遺伝子の1つに、「ced-6」がある。そこで、Trlやced-6の腸幹細胞での発現に対し、標的のmRNAを分解させることで特定の遺伝子発現を抑制する「RNAi(RNA干渉)」法による阻害が行われた。その結果、老化時の細胞増殖が抑制され、幹細胞疲弊を人為的に誘導できることが突き止められた。

さらに、老化時以外の通常の細胞増殖が促進されるような状況で、Trlやced-6の阻害により、腸幹細胞の疲弊を誘導できるかが調べられた。ストレスを受けた腸組織は、幹細胞を増殖させて傷を修復しようとするが、そのような状況でも、Trlやced-6の発現を阻害すれば幹細胞疲弊を引き起こすことができたという。つまり、Trlやced-6の幹細胞疲弊への関与は、老化時だけでなく、細胞増殖が促進されるさまざまな状況で起きることが判明したのである。

以上の結果から、老化時の幹細胞疲弊は、Trlで制御される遺伝子領域が閉じる染色体構造変化により、ced-6などの遺伝子発現が低下することで引き起こされるという分子機構が見出された。

研究チームは、今回発見された染色体構造と遺伝子発現の変化を伴う分子機構が、ヒトの老化時における組織幹細胞の疲弊にも関わっているのかを明らかにすることが、今後の課題としている。
(波留久泉)



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