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『東大王』『小5クイズ』終了の厳しい現実――なぜクイズ番組は時代に取り残されてしまったのか

マイナビニュース / 2024年9月18日 11時0分

クイズ番組に「参加している」という意識を持ってもらうための策はまだまだあるはずだ。例えば、視聴者が参加できる生放送のクイズ企画を行った番組もあったが、賞金・賞品のスケールが小さかった上にすぐにやめてしまうなど、中途半端な結果に終わってきた。もう少しライブ感を楽しめる構成・演出は本当にできないのか。

また、「クイズ猛者ばかりが上位に来ると面白くない」のなら、「性別・年齢・職業・居住地・経歴などの属性ごとに参加者を集めて戦う」という『パネルクイズ アタック25』(ABCテレビ、現在はBSJapanextで放送)の形式をアップデートさせた形があってもいいだろう。「一般人に一世一代の大勝負をしてもらう」という構成・演出でショーアップできないところにもどかしさを感じさせられる。

いずれにしても各局の制作サイドは「『視聴率を確保するため』という前提に縛られるため、『アップデートしない』という歴史を繰り返してきたが、そろそろ限界に近づいている」という感は否めない。

そんな苦しい現状を物語っているのがクイズ特番。『芸能人格付けチェック』(ABC制作・テレ朝系)、『オールスター感謝祭』(TBS)、『クイズ ドレミファドン!』(フジ)などのクイズ特番は、放送のたびにネット上で盛り上がっている。ただこれは「出演者が豪華なため、注目を引きつけられる」という点が大きく、レギュラー番組でこうはいかないのは当然だ。

厳しい書き方になるが、やはり昭和・平成と変わっていないのだから、人々に「制作サイドの工夫と覚悟が足りない」と言われても仕方がないように見える。制作費や人材確保などで難しいのはわかるが、だからこそ「他のバラエティよりクイズ番組のほうがチャンスはある」のではないか。個人的にクイズ番組が「テレビがつまらなくなった」という理由の1つにあげられる現状は寂しいだけに、来年の改編では思い切った新番組を期待したい。

木村隆志 きむらたかし コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者、タレントインタビュアー。雑誌やウェブに月30本のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組にも出演。取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーでもある。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』など。 この著者の記事一覧はこちら
(木村隆志)



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