1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

カレー沢薫の時流漂流 第317回 マックの生成AI動画の騒動で、人間が株を上げた気分になる

マイナビニュース / 2024年9月16日 22時20分

画像提供:マイナビニュース

未だに何かと議論がつきないAIによる画像生成だが、その精度は目覚ましく進化しているようで、すでにAIと気づかずにAI生成画像を目にしているような気もする。

このままいくと「やっぱAIにこの絶妙なラインは描けねえよ」と言いながら、左手にはAI生成画像を映し出したスマホ、右手は股間、というマヌケになりそうで怖いのだが、現時点では見た感じでAI生成だとわかる画像も多い。

AI絵は普通に上手いし、どこが変なのかはっきり言えないが、見た瞬間「不自然」と感じることが多いのだ。

先日会った友人曰く「AIは手を描くのが下手」だそうだ。

「俺の方が下手だ」と瞬時に対抗しそうになったが、それを抑えて黙って話を聞いていると「顔は精巧に描かれているが、よく見ると手は死ぬほど適当に描かれており、それがアンバランスで不気味」とのことである。

やっぱり俺のことじゃねえかと思ったが、私は顔も精巧に描いていなかったのでやはり私はAIではないようだ。

これからも「私はロボットではありません」の認証に堂々と「はい」と答え、「バイクの画像を3つ選んでください」の問いに「バイクの定義は?」と、人間特有の屁理屈をこねたいと思う。
○そもそも人間の造形がキモいのかもしれない

さて、実際「手」というのは非常に難しいのだ。

人間の体は、他の動物から見ると総じて気持ち悪いと思うが、その中でも手は桁違いにキモい。

指なるものが基本10本生えているだけでも信じられないのに、その長さが全部違い、さらに関節が2つも3つもあり、それが全部バラバラに動いたりするのだ。

8本脚の蜘蛛を気持ち悪いと感じる人間は多いが、蜘蛛から見れば指が手足あわせて20本も生えている人間の方が気持ち悪いに決まっている。

構造だけでもかなり変態的なのに、動きがさらにこの世のものとは思えない人間の手を描くというのは非常に難しく、プロでも手は苦手という人は多いし、だからこそ手を描くのが好きという狂人(くるんちゅ)もいる。

おそらくAIにとっても手は描くのが難しい部位であり、マスターするには少し時間がかかるのかもしれない。

だが今後AIはもっと正確な絵を描けるよう進化していくだろう。

しかし、技術的に精巧なことと、絵として我々が「いいね」を押すかどうかは全く別だったりもする。

現在でも人間と見まごうばかりのリアルなCG絵を作ることは可能である。

だが、我々オタクが「キャラクターは本物の人間に近ければ近い方がいい」と思っているかというと、全然そんなことはない。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください