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知って納得、ケータイ業界の"なぜ" 第177回 旅行に小売り、異業種が“格安”のMVNOに見出した価値とは

マイナビニュース / 2024年9月17日 15時5分

HISモバイルでは当初、HISの店舗網を活用してHISモバイルの契約を拡大することを狙っていたようだが、その狙いは顧客層とマッチせず、うまく機能しなかった。だがHISモバイルのユーザーが、HISが得意とする旅行関連のサービスに期待する声は多いという。そこで低価格による節約などを目当てにHISモバイルを契約した人に対し、HISグループが持つ強みを生かして本業である旅行サービスの利用を促進し、グループ全体でのビジネスを拡大する戦略を切り替えたといえそうだ。

通信料ではない「ドン・キホーテ」らの参入意図

そしてもう1つ、異業種とMVNOによる新たな価値提供に向けた取り組みとなるのが、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)の事例である。PPIHはディスカウントストアの「ドン・キホーテ」や、スーパーマーケットの「アピタ」「ピアゴ」などを運営する、流通小売りの大手企業だ。

そのPPIHが2024年9月12日、MVNOとしてモバイル通信サービスを提供することを発表している。同社は2つのサービスを提供するとしており、1つがスマートフォン向けのモバイル通信サービス「マジモバ」で通信量3GBで月額770円の「驚安プラン」や、15GBから50GBと中・大容量のデータ通信を安価に利用できる「最驚プラン」を提供するとしている。

そしてもう1つが「最驚Wi-Fi」だ。こちらはSIMではなくWi-Fiルーターによるモバイル通信サービスで、月額4180円で1日10GBの通信量が利用できることから、同社では月当たり実質300GBの通信量が利用できるとしている。

そしてマジモバ、最驚Wi-Fiともに、契約すると「#今月のおごり」が得られる点が大きな特徴として打ち出されている。これはPPIHグループの電子マネーサービス「majica」の会員になることで、majica加盟店で毎月商品と交換できるクーポンがもらえる仕組み。グループのキャラクター「ドンペン」「アピタン」「ド情ちゃん」といったキャラクターの特徴に沿った対象商品をもらえるというのは、他のMVNOにはない大きな特色といえるだろう。

なぜPPIHが通信サービスにこのような特典を付けたのかといえば、顧客との継続的な接点を作るためだと、PPIHの上席執行役員である森谷健史氏は話している。携帯大手より通信料を打ち出して継続利用が求められるモバイル通信サービスを契約してもらい、クーポンで顧客を継続的に店舗に訪問させる、マーケティング要素が強いサービスとなっている訳だ。

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