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日欧の水星探査機「ベピコロンボ」が水星スイングバイ、エンジン不調の影響は?

マイナビニュース / 2024年9月17日 19時46分

画像提供:マイナビニュース

日本と欧州の水星探査計画「ベピコロンボ(BepiColombo)」が2024年9月5日、4回目となる水星スイングバイに成功した。

ベピコロンボは2024年4月、宇宙を航行するためのイオンエンジンに問題が発生し、フルパワーで航行できなくなった。今回のスイングバイにより、問題を抱えたままのエンジンでも水星に到達できる新しい軌道に入り、当初より約1年遅れとなる2026年11月の水星到着を目指す。

ベピコロンボ

ベピコロンボは、欧州宇宙機関(ESA)と、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共同で実施する水星探査計画で、太陽に最も近い惑星で、まだあまり探査されたことのない水星にまつわる、さまざまな謎を解き明かすことを目指している。

ベピコロンボは、ESAが開発した「水星表面探査機(MPO)」と、日本が開発した「水星磁気圏探査機(MMO)」、愛称「みお」の2機の探査機からなる。この2機に加え、宇宙を航行するための「電気推進モジュール(MTM)」も合体させた、三段重ねの状態で打ち上げられ、水星まで航行する。そして、水星に近づいたところで分離し、MPOと「みお」はそれぞれ水星を回る軌道に入り、探査を行う。

これまで水星を探査したのは、米国航空宇宙局(NASA)が1973年に打ち上げた「マリナー10」と、2004年に打ち上げた「メッセンジャー」の2機しかない。これは、水星が探査機を送り込むのがとても難しい、近くて遠い惑星だからである。

探査機が水星に近づこうとすると、それは太陽に近づくということでもあり、太陽の強力な引力によって、太陽に落ちるように大きく加速してしまう。そのため、そのまま水星の重力に捕まって周回軌道に入るには速度が速すぎ、またロケットエンジンを噴射しても、その速度を十分に落とすことは難しい。

そこで、ベピコロンボは、効率よく宇宙を航行できる電気推進の一種、イオンエンジンを装備しており、減速する方向に噴射し続けることで、少しずつ確実に、速度を落としていく。さらに、惑星の重力によって探査機の進む方向を変えたり、加速・減速したりできる「スイングバイ」航法も使って減速する。水星到達までには、地球を1回、金星を2回、そして水星を6回もスイングバイする。

ベピコロンボは2018年、南米仏領ギアナのギアナ宇宙センターから打ち上げられた。これまでに1回の地球と2回の金星のスイングバイをこなし、水星スイングバイも3回を数えた。

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