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どこでもサイエンス 第292回 火星の石、ですって?

マイナビニュース / 2024年9月18日 7時34分

ところで、このALH84001に限らず、南極では多数の隕石が発見されています。もちろんこれには理由があって、南極にはなぞの電波がでていて、隕石を引き寄せている……わけはなく!! 南極の特性によるものです。

まず、南極は厚い氷で覆われた白い世界です。樹木もほとんど生えていません。真っ白の中に黒い隕石があると、非常に目立ち、容易に発見できるというわけなのです。

また、南極の氷の中では、石が風化しにくいです。生物による破壊もないのもポイントですね。天然の冷蔵庫で長期保存されるわけです。

また、氷はゆっくり動くのですが、その運搬の吹きだまりなような場所があり、そこには広範囲に落ちた隕石が集められるのです。南極は日本の40倍近くもある巨大な大陸ですが、その一部であってもそういう収集される場所があれば膨大な隕石が一気に採取できます。

この事実に世界で最初に気がついたのは日本で、日本の南極観測を担当している国立極地研究所は、世界最大級の隕石のコレクションを持っているのです。

ちなみに、むかーしここでも書きましたように隕石は売買されており、火星隕石もさすがにちょっと高いのですが購入できます。東京の国立科学博物館だけでなく、全国の科学館や自然史博物館でも火星からの隕石を常設展示しているところも結構あります。

ただ、南極の隕石は民間の採取がほぼできないので、日本、アメリカ、中国などの国家機関が管理しています。ほぼ100%NASAとロシアと中国が監理している月の石と同じです。そういう意味で、みんなで見られる形で展示されるのは珍しいことです。

万博で展示されたら、フーン石か。ではなく、長い時間をかけて地球にやってきた遙かな宇宙のロマンを感じつつ、ぜひ見てもらいたいなあ-と思うわけでございます。

東明六郎 しののめろくろう 科学系キュレーター。 あっちの話題と、こっちの情報をくっつけて、おもしろくする業界の人。天文、宇宙系を主なフィールドとする。天文ニュースがあると、突然忙しくなり、生き生きする。年齢不詳で、アイドルのコンサートにも行くミーハーだが、まさかのあんな科学者とも知り合い。安く買える新書を愛し、一度本や資料を読むと、どこに何が書いてあったか覚えるのが特技。だが、細かい内容はその場で忘れる。 この著者の記事一覧はこちら
(東明六郎)



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