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Excelをノーコードで自動化しよう! パワークエリの教科書 第20回 「例からの列」を使ったデータの作成

マイナビニュース / 2024年9月24日 11時0分

◆新しい型番の形式
 (従来の型番)-(発売日の年月)-(色の記号)
 ※発売日の「年」は西暦の下2桁、「月」も2桁で表記

それでは、具体的な操作手順を示していこう。今回は“複数の列”をもとに新しいデータを作成するので「例からの列」→「すべての列から」を選択する。

すべての列のチェックボックスがONになった状態で「例からの列」の作業画面が表示される。今回は「価格」の列を参照する必要はないので、「価格」の列のチェックボックスをOFFにする。

続いて、例を入力していく。1行目の場合、(従来の型番)-(発売日の年月)-(色の記号)は「DHS001-1905-WT」となる。これを自分の手で入力して「Enter」キーを押す。

他の行の結果は上図のとおり。現時点では、(従来の型番)だけが正しく抽出されており、それ以降はすべて「-1905-WT」という記述になっている。このままでは“意図した結果”になっていないので、2行目にも例を入力する。こちらは「DHS001-1905-K」と入力すればよい。

すると、(色の記号)の部分が正しく抽出されるようになった。ただし、(発売日の年月)が正しく抽出されていない結果が何件か見受けられる。この部分を“意図した結果”に修正していく。

上図のように2つの例を追加入力すると、全データについて“意図した結果”を得ることができた。「OK」ボタンをクリックして処理を実行する。

データ表の右端に「新しい列」が追加され、そこに「例からの列」で得られたデータが表示される。

このように、複数の列からデータの一部を抽出して「新しい列」を作成する場合にも「例からの列」が活用できる。同様の処理を「抽出」や「列のマージ」などのコマンドで処理しようとすると、相当の手間を要するはずだ。

念のため、この処理のM言語も確認しておこう。今回の例では、以下の図のようにM言語が記述されていた。

この処理内容を理解するには、やはりM言語について学んでおく必要がある。M言語を理解できない場合は、「例からの列」で指定した処理内容がブラックボックスになってしまう。M言語の記述をすべて解読できれば、そのアルゴリズムを把握できるようになるが、初心者にとって、これは少し難しい課題になるかもしれない。

今回の連載で紹介してきたように、「例からの列」を使って“新しいデータ”を自動作成することも可能である。ただし、「理屈はよく分からないけど、とりあえず意図していた結果を得られたようだ……」という状態になってしまう可能性が高い。

M言語を解読できる上級者にとっては、処理方法(アルゴリズム)を自動提案してくれる便利な機能といえる。しかし、そうでない方にとっては危険を伴う機能と考えられる。「例からの列」の使い方や利便性を紹介している記事は沢山あるが、その背後に「処理内容がブラックボックスになってしまう」という危険性が潜んでいることを忘れないようにして頂きたい。便利な機能ではあるが、安易に手を出すのは考え物だ。各自のスキルに合わせて利用する必要がある。
(相澤裕介)



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